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料理のチカラプロジェクト

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エコール 辻 東京の学生が「鶴岡フィールドスタディ研修」に参加

地域連携

2018.02.13

2月3日~5日の3日間、エコール 辻 東京の学生6名が「鶴岡フィールドスタディ研修」に参加しました。

辻調と鶴岡市は昨年5月に「ガストロノミー包括連携協定」を結んでおり、鶴岡市をフィールドとした研修プログラムの策定を検討してきました。

今回の研修では、エコール 辻 東京で参加希望者を募り、選抜された6名が参加。学生たちは事前に配布された資料を各自で読み込み調べるなどして、自分なりの理解と課題を持って本番を迎えました。
(以下、青字は学生の感想です)

★1日目★2月3日(土)
夜行バスで早朝に到着。
地元の方がおっしゃるには、年に数回しかない冬晴れだとか。
幸先のよいスタートです。

  

まずはじめに、鶴岡市食文化創造都市推進専門員の伊藤賢一さんより
鶴岡市の歴史や山伏文化について紹介をしていただきました。

 

そして、いよいよ山伏装束を頭に巻き、山伏修行体験です。
"山伏の食"を食べて雪深い修験道を歩き、五重塔まで。

 

 

「瞑想のおかげか、白米がとても美味しく感じられた」
「シーンとした雪の中で自然と一体になるような感覚で新鮮だった」


その後、出羽三山参籠所の「斎館」で、保存食について学び、蔵を見学したり、精進料理の1品である「擬製豆腐」を一緒に作らせてもらったり、伊藤料理長からレクチャーを受けました。

 

 


「限られた食材で厳しい冬を乗り切る知恵を学んだ」
「山菜の保存方法からは、食材の命を想い、その命を無駄にしないようにする心を学んだ」
「東京ではスーパーで買った食材を冷蔵庫に入れるだけ。そのままダメにしてしまうことを反省した」

夜は1日の学びを振り返り、用意していただいた地元食材を前にどう料理するか話し合ったりしました。

 


★2日目★2月4日(日)
この日は朝から雪が降り続く中、温海地区での研修です。
きのこ生産現場→温海カブの収穫体験→養豚場見学→塩工房見学→鼠ヶ関漁港見学を訪問し、生産者の方からたくさんの学びを得ました。

 

「しいたけが呼吸している香り。食べ物を育てる香りを肌で感じること
ができた」

在来作物の1つ"温海カブ"の圃場では、雪の中からカブを収穫。

 

「林業と一体になって受け継がれてきたカブだと知った」
「在来作物の種を色濃く残していくという種に対するプライドを感じて感動した」

昼食時には映像を交えて焼畑農業についても学びました。
昼食をいただいた「咲」さんのご主人は、学生のために鯛のあらを取っておいてくださり、急遽、鯛の解説をしてくださいました。


 

塩工房では、良質なミネラルを持つ塩を作るには、近くの山林が元気でなければならないことを学び、養豚場では、飼料を自ら作り無駄のない循環型農業について教えていただきました。

 

鼠ヶ関漁港を見学した際には、漁法や流通について説明していただきました。
「ここで水揚げされた魚なのに築地基準で評価されることに疑問を感じた」



夜は、それぞれの生産現場から少しずつ購入した食材を使って、学生たちが自らメニューを考え、夕食を作りました。

<学生考案のメニュー>
*山と海のフリット盛り合わせ
*しいたけとあさつきのペペロンチーノ
*もだしのクリームスパゲッティ
*豚ロースのソテ 温海カブとうるい添え
*庄内治部煮
*温海カブみぞれ碗
*栃の実生地の小名部豚巻き
(料理写真は五十嵐丈氏)
  

   

学生たちに感化されて、なんと鶴岡市職員の方も、急遽、料理参戦。


 

地元の方と一緒にみんなで夕食を楽しみました。

 


★3日目★2月5日(月)
最終日は、今回の研修にご尽力くださった関係者の方々の前で、学生たちが2日間の学びについてプレゼンテーションを行いました。

 

山形大学農学部教授の江頭先生とアル・ケッチャーノの奥田シェフにも聴講していただきました。
江頭先生からは在来作物の講義をしていただき、奥田シェフからは、食材との向き合い方や料理人としての心構えなど教えていただきました。



今回のような宿泊体験型の研修は、本校では初めての試みでしたが、
出会ったすべての方が、学生のどんな質問にも丁寧に親切に答え、広い視点を与えてくださり、未来の料理人に温かいエールを送ってくださいました。学生たちは多くの学びと刺激を得て、これから料理人として何ができるのか、何を担えるのか、考えるきっかけになったようです。
今後も継続的に、「鶴岡フィールドスタディ研修」を行っていきます。