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「鶴岡の食文化から世界の"食"の未来を考える」シンポジウム開催報告

2月20日に、山形・鶴岡市とイタリア食科学大学とともに、「鶴岡の食文化から世界の"食"の未来を考える」シンポジウムを開催しました。



鶴岡市は、2014年ユネスコ食文化創造都市に認定され、この地で継承されている独自の食文化、在来作物の多様さとそれを活かす調理法や保存技術の高さから、今、世界の食の研究者から注目されています。

辻調理師専門学校は、鶴岡においてレストラン(奥田シェフ)と研究機関(江頭先生)の連携による食文化向上の活動を称え、第1回辻静雄食文化賞(2010年)を贈賞したご縁もあり、今回のシンポジウムが実現しました。


第一部では、地元 山形大学農学部教授 江頭宏昌氏による基調講演を行いました。
テーマは「なぜ在来作物や野生植物は私たちの暮らしにとって大切なのか?」



ここではたくさんの在来作物と、それらを守り活かすために焼畑が効果的に行われていることを紹介していただきました。また、江戸時代に幾度となく干ばつや水害による大飢饉に見舞われた東北地方では、食べられる野生植物と、その食べ方や保存方法を記した『かてもの』という書物が人々を飢餓から救ったというお話は大変印象的でした。


第二部では、「世界の食の学校と考える鶴岡ガストロノミーの未来」についてパネルディスカッションを行いました。



モデレーターは、(社)元気ジャパン、(株)XPJPの代表でソーシャルプロデューサーの渡邉賢一氏

パネリストは、鶴岡市を"食のフィールドワークの地"として、フィールドワークをするために来日していたイタリア食科学大学准教授のガブリエラ・モリーニ氏、イタリア食科学大学と鶴岡市を繋いだ株式会社GEN JAPAN代表の齋藤由佳子氏、そして辻調理師専門学校の小山伸二先生が食の未来について議論しました。


味覚を科学的に研究しているモリーニ先生は、「ガストロノミーとは何か」「ガストロノミーが作りだす可能性」についてお話をされました。

「私たちが考えるガストロノミーは単なる美食という意味ではなく、「食べられるもの全て」を対象にしていると言えるくらい広義に捉えています。これまで、ガストロノミーに従事するのはシェフだけでしたが、今は、農家、漁師、ワイン醸造家、そして科学や社会学といった学問に従事する人までもが取り組んでいます。」
そして「ガストロノミーは新たな職業であり、食の価値を向上させ、人類の資産を守ることに繋がる」と、新しい価値観を提示されました。

鶴岡市との連携については、「健康と食というテーマに可能性を感じます。日本は長寿大国だが、いかに健康的に長寿になるか、が今問題となっています。私たちは科学的な観点から江頭先生のお話にあった"かてもの"がどのように身体に働いたのか、長寿の秘訣を科学的な観点から研究することが可能です。以前はフランスが食文化だと言われていたが、今は日本食文化が世界の中で重要なポジションを占めているといえます」と期待を寄せられました。



そして齋藤氏は、同大学の大学院を卒業されており、まさにモリーニ先生の教え子とのこと。
「ガストロノミーには"食の教育"という観点も入っており、学んでいくうちに、学生だけでなく大人にもこの学びを体験してもらいたいという想いからミラノに会社を設立し、今回の大学と鶴岡市との連携が実現しました。同大学には60ヶ国以上の国から学生が学びにきますが、皆、お皿の上ではなく、お皿の裏側がどうなっているのかという点に興味があります。」

「鶴岡では学生が学ぶだけでなく、市にとっても学生との交流から価値が生まれることを期待しています。いかにストーリーとして、食文化の価値を伝えていけるのかが大切。鶴岡は絹の産地でもあり、最東端が鶴岡、最西端はイタリアのベニスなので、シルクロードという観点からも食文化の訴求力は強くなるのではないか」と新しいアイデアをお話くださいました。



辻調の小山先生は、「これから辻調が進むべき道には、ガストロノミーについて学ぶ環境が必要だと考えています。今まではお皿の中のことに目を向け、いかに美味しい料理を作るかという教育を行い、多くの料理人を輩出してきたが、それだけではなく、自然環境が悪化していく中で世界中の課題を解決するツールとして、人々が幸せになるツールとして、食を提供できるような教育に取り組みたいと思っています。また我々の学校にはアジア圏からの留学生が増えてきていますが、これは日本料理が世界遺産になったからではなく、多くの学生はフランス料理や洋菓子を学びにきている。アジアからみると、いち早く西洋の要素を取り入れ、料理教育メソッドが確立しているという点が評価されているのだが、アジアの学生にとってハブとなる教育機関を目指したいと思っています。」

また、グレードアップした学校教育を行うにあたっての今後の課題としては、「農学、哲学、社会学など食を取り巻くあらゆる学問分野と私たちのような学校がいかに接点を持てるかが課題。山形大学農学部や鶴岡市と連携し、ローカルの中にある価値観を確実に見出し、そして世界中で起こっていることが現在だけでなく、将来どうなるのかという点を、食を通して真剣に考えていきたいと思います。そして何より、今日もこのシンポジウムを本校の学生に聞いて欲しいと強く思いました」と語りました。


単なるインバウンドではなく、その土地に根付く食文化、精神性を大きなストーリーとして捉え、守り、発信しようとする鶴岡市のポテンシャルの高さに刺激をいただきました。
この素晴らしい場で想いを共有し、未来に向けての議論ができたことは、本校にとって大変意義ある活動となりました。


(左から、齋藤氏、通訳、モリーニ氏、小山先生、渡邉氏)

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