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辻調グループ フランス校

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谷脇 宏汰朗さん 研修先:「Artisan Passionne」

研修生レポート

2014.02.18


谷脇宏汰朗さん

TANIWAKI Kotaro
東京・町田高校 卒業
[エコール 辻 東京]辻製菓マスターカレッジフランス校留学コース 卒業
2013年春コース レクレール校 製菓研究課程
研修先:Artisan Passionné

僕の研修先「アルティザン・パシオネ Artisan passionné」には二つの店舗があります。ひとつはロワール地方の中心都市アンジェAngers、ここにあるのがパティスリです。そして、そこから車で約1時間の街、ショレ Choletにもう1店舗ショコラティエがあります。

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どちらも街の中心地にお店を構えていて、まずAngersのパティスリですが、ここで二店舗分のガトーを製造しています。十分なお店のスペースを確保するのが難しい大都市の中心地ということもあり、規模的には少し小さめですが、ここで毎日5~6人のパティシエが働いています。

またショレのショコラトリでは、逆に二店舗分のショコラを製造しています。そしてこの地域の歴史にちなんだ「ムショワール・ド・ショレ mouchoir de cholet(ショレのハンカチ)」という名前のチョコレートの製造もしています。ラボ内はアンジェに比べると広々としていて、ショコラのための機械を中心に整備されています。ここのお店はできてまだ一年目ということもあり、作業自体も日々進化していきます。

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アンジェ店のシェフはAurelien TROTTIER 『オレリアン・トロティエ』さんで、フランスの製菓組合ルレ・デセール会員でもあります。シェフはなんだか若々しい性格?というか実際、若い!!見習いの若い子たちとも楽しそうにコミュニケーションをとっています。そして、たまに日本語を話します。

僕の同僚はなんと三人が同い年の20歳!!
もう一人は三つ上、と歳が近いのですぐに仲良くなれました。なかでもピエールとマキシムという同僚はよく仕事終わりに遊びに誘ってくれます!
身体が持つなら是非とも乗り込んでみよう!!!

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ショレ店のシェフはLuc POISSON 『リュック・ポワソン』さんで、性格はオレリアンと真逆!?大人っぽく紳士的な雰囲気な人です。ショレで勤務のシフトのときは行き帰りともリュックが車で送ってくれます。フランス語の発音の勉強も車の中でやってくれるのでとても助かっています。

同僚にはヨレーヌとカンタンという二人の見習いがいて、特にヨレーヌは優しい女の子なのですぐに打ち解けられました^^販売のメラニーは、第一印象は「怖そうな女性」ですが、見かけるたびに声をかけてくれるとても親切な人です!
変顔もよくやってるので注意深く見てみてください(笑)

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日によってシフトが変わりますが、この二つの店舗を入ったり来たりしながらパティスリとショコラトリ、両方の仕事をさせてもらっています。パティスリでまず最初に担当したはガトーの仕上げ、基本の生地の仕込みなどです。その後、ガトーの組み上げや、季節がらブッシュ・ド・ノエルの仕込みなどをさせてもらいました。

ショコラティエでは、初めはボンボンショコラ用ガナッシュのenrobage(外側をショコラで覆う作業)、plaquette chocolatの製造など現在 mouchoir de choletの製造。バレンタインに日本に送るため、ものすごい量を毎日作っています。

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住まいはアパート一人暮らし!!・・・・なのですが,部屋が少し狭いのが欠点です。他は特に問題ありません!暖房もシャワーもすべて快適に使えます。

時間のあるときにはアンジェ・カトリック大学によく行きます。そこでは国際的な交流も、日本人の友達もできるのでとても好きな場所です。大学には日本人の留学生や日本語を勉強しているフランス人に出会えるので、ぜひ積極的に活動して仲良くなるといいかも?パーティーなんかにも誘ってもらえます♪

もちろん、アンジェは伝説のお菓子「クレメ・ダンジュ Cremet d'Anjou」の街でもあるので、同期の研修生が遊びに来たときに、昔ながらのレシピでデザートとして出しているお店、その名も「クレメ・ダンジュ」に食べに行きました。ものすごく濃厚でおいしかった!

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また、この街のシンボルであるアンジェ城の周りには公園があり、天気のいい日は散歩してみては?

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また、せっかくロワール地方に来たのだから、とフランスの古城めぐりをしています!10ほどの城を見学したのですが、どの城も個性があり見ていて飽きません!ちなみに、古城めぐりはツアーで回るのが一番いいと思います。そこで自分以外の日本人の人たちと出会えました。一期一会の出会いを大切にしたいですね。

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研修に来てみて学んだのは、作業の速さ、正確さ。そしてなにより忍耐強さ。
ショコラトリでは同じ作業を長時間続けるといった仕事が多く、6時間もくもくとショコラのenrobageをする、なんて日もあります。同じことを何度も繰り返すので、自分なりの一番やりやすい方法がそのうち見えてきます!

ではシェフから『コタはまるでターミネーターみたいだ』と言われるほど、この作業を進めるスピードが速くなりました!また、フランス人は僕たち研修生でも、しっかり意見を伝えればきちんと聞いてくれます。よりよい方法を思いついたらどんどんシェフに言ってみる、それがよいアイデアだと思ってもらえたら、本当に採用してもらえるんです。ちょっと感動しますね。

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研修に出るとき最初は正直不安でした。学生が研修するのは初めての研修先だったので、情報が少なく、職場には頼りになる日本人も一人もいない。でも実際に研修に出てみると、自分の拙いフランス語でもしかっり聞いて理解しようとしてくれるシェフや、初めての土地でさびしいだろうって遊びに誘ってくれる同僚のみんな。フランス人は意地悪だ!って聞いていたのに実際はこんなにも優しくて、僕のフランス人の見方がガラッと変わったきっかけになりました^^

パティスリとショコラトリ、二つの店舗で働けたのもいい刺激になりました。今までパティスリしか頭になかった僕の中にショコラトリという選択肢も最近出てきました。何事もやってみて初めてわかるんだと、今更ながらに気が付きました!アンジェのこの研修先でよかった!先生方に心から感謝しています、ありがとうございました。

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日本で修業したのち、フランスに再度戻ってくる!!
今はほとんど力になれていないけど、いつの日か頼りにされるくらいの技術、語学力をつけてフランスで働きたい!!
そう思っています。

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このお店は食べ歩きブログでも紹介されていす。
https://tsuji.fr/blog/mail_france/artisan_passionne.html