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Marguerite Restaurant(マルグリット・レストラン)

フランス校 食べ歩き日記

2014.02.24

「マルグリット・レストランMarguerite Restaurant」はリヨン8区、リュミエール博物館の近くにあります。
モンプレジールMonplaisirとも呼ばれるこの地区は、「シネマトグラフ」(撮影用カメラと投影機を一体化した機械)を
発明したリュミエール兄弟が生きた場所としても有名です。
リュミエール兄弟がウィンクラー家の姉妹と結婚した後、邸宅のひとつとしていた建物を、ポール・ボキューズとジャン・
フルーリーの両氏が2013年に買収。ボキューズ氏のお店のデザインを手掛けるアラン・ヴァヴロ氏の指揮のもと、
大規模な改装工事が行われ、リヨンを中心にブラッスリーを展開する「ノールスュッド・レ・ブラッスリー・ド・リヨン
NORDSUD LES BRASSERIE DE LYON」の新しいレストランとして、同年秋にオープンしました。
店名は、1963年までリュミエール=ウィンクラー一族の当主であり、才能豊かなピアニストでオルガン奏者でもあった、
マルグリット・リュミエールMarguerite Lumièreという女性にちなんでいるそうです。

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レストランに入ると、豪華で歴史が感じられる内装に目を奪われます。
よく見ると、エレベーターやワインセラーなど近代的な装置も大いに活用されていることに気がつきます。
一階は少人数の食事に対応するスペースで、客席数は約80。二階には団体用のスペースが80席あるほか、
食事の前後に利用できるバースペースがあります。

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(写真左)受付(一階)、(写真右)客席(二階)

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バースペース(二階)

食事はア・ラ・カルトのほか、昼は2品で25.8ユーロ、3品で28.62ユーロのコースを、夜は3品で42ユーロ、
4品で52ユーロのコースを選ぶことができます。夜のコースには「ル・ムニュ・リュミエールLe Menu Lumière」
と名がついていて、一週間ごとに内容が変わっていくそうです。

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(写真左)メニュー表にはマルグリット・リュミエールの写真が印刷されている

シェフのタバタ・ボナルディTabata BONARDIさんは、ブラジル出身の女性料理人。
学生時代は医師になるための勉強をしていたそうですが、リオの高級レストランでフランス料理に魅せられ、
料理人としての修業をはじめます。2003年にはリヨン近郊のアンスティテュ・ポール・ボキューズInstitut Paul
BOCUSE(ポール・ボキューズ学院)に入学、フランス留学を果たします。同学院を卒業後、ニコラ・ル・ベックNicolas
Le Bec氏のレストランで勤務。数年後にはリヨンで自分のレストランを開きますが、より大きなチャンスを求めて、
フランスの人気オーディション番組「トップ・シェフTop Chef」に出場、4位入賞の好成績を残します。
タバタさんの活躍はボキューズ氏にも認められ、2013年、「マルグリット・レストラン」の料理長に抜擢されました
(ボキューズ氏のグループでは、初の女性料理長だそうです)。

今回の食事では、夜の「ル・ムニュ・リュミエール」の4品(デザート含む)のコースを選びました。

Terrine de Foie Gras de Canard Mi-Cuit aux Argues
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鴨のフォワ・グラのテリーヌ。柑橘類のフルーツやゼリー、そば粉でできた薄いプレートとともに食べます。

Filet de Lieu Jaune et Palourdes en Marinières
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リユー・ジョーヌLieu Jauneはヨーロッパ沿岸で獲れるたら科の魚。その上身をソテしたものと、白ワインで
火を通したあさり。付け合わせは、甘い玉ねぎをピュレ状になるまで煮たものと、甘く煮た若いポロねぎ。
ソースはあさりの煮汁をベースに、リンゴ酒などを加えて作られたもの。

Pavé de Veau Fondant Rôti
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厚く切った柔らかい牛肉のロースト。香草の風味をつけたセロリのムースと、やさしく火を通した昔野菜が付け合わせ。
ソース・ブール・ブランが牛肉にかかっています。

Ganache Chocolat Caramelia
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キャラメル風味のチョコレートガナッシュ。
栗のペーストと、クレモンティーヌ(小型みかんの一種)が添えられています。

リヨンの「ル・ノールLe Nord(北)」、「ル・スュッドLe Sud(南)」、「レストL'Est(東)」、「ルエストL'Ouest(西)」など、
「ノールスュッド・レ・ブラッスリー・ド・リヨン」が展開している他のブラッスリーに比べると、内装はより豪華で、料理は
さらに手が込んでいるように感じられました。一方で、これらのブラッスリーと同様、普段着のままリラックスして食事が
楽しめる雰囲気も兼ね備えています。
開店以来満席の日が続き、席を確保するのは今のところ簡単ではないそうですが、記念日をリラックスして祝いたい
ときや、週末に少しリッチな食事を楽しみたいときなどにはうってつけのお店だと思います。

Marguerite Restaurant
57 avenue des Frères Lumière 69008 Lyon
Tél 04.37.90.03.00
Fax 04.37.90.40.99
www.nordsudbrasserie.com

メトロの最寄駅はD線のSans-Souci(サン=ススィ)駅かMonplaisir-Lumière(モンプレジール=リュミエール)駅。
レストラン専用の駐車場はないので、車で行く場合は近くに駐車スペースを確保する必要があるでしょう。

※記事を執筆するにあたって、「マルグリット・レストラン」のメニュー表のほか、以下の資料を参照しました。

・『Femmes Chefs à la française』、Edition Marie Claire刊、2013
・Nadine Lemoine, ''Marguerite Restaurant, le nouveau concept du groupe Nordsud(マルグリット・
レストラン、ノールスュッドグループの新しいコンセプト)'', L'Hôtellerie-Restauration.fr, 2013年10月21日

https://www.lhotellerie-restauration.fr/journal/restauration/2013-10/Marguerite-Restaurant-le-nouveau-concept-du-groupe-NordSud.htm