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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Jacques MARCON(ジャック・マルコン氏)/Régis et Jacques MARCON(レジス エ ジャック マルコン)

フランス校教壇から

2018.06.01

今日の外来講習はRégis et Jacques MarconからJacques Marcon氏にお越しいただきました。
リヨンから車で1時間半ほどのSaint-Bonnet le froid (サン・ボネ・ル・フロワ)という村にあるミシュランガイド三つ星レストランです。

店名になっているRégisさんは1995年ボキューズ・ドールの優勝者です。母親から受け継いだお店で、多くのきのこ料理を生み出す事で「きのこの魔術師」とも呼ばれ、その他レンズ豆など土地の食材を用いた独自の料理を作られています。2005年に村の中心にあったお店から、少し離れた場所に移転し、同年3つ目の星を獲得しました。

店内の一面のガラス窓から見えるパノラマは壮大な自然を映し出し、お店のシンボルでもあるセップ茸や、レストランの周り一帯で取られる香草を料理の食材としてイメージするにはこの上ない演出です。現在は息子のJacques氏と共にレストランを運営されています。彼は若き日、レクレール校で研修をしていた事もあり、フランス校にも大変思い入れがあるそうです。

今回は研修生の清水多笑子さんと共に、前菜と魚料理の2品を作っていただきました。

Truites confites et cistre
虹鱒のコンフィ、シストル風味

燻製にした後、低温のセップ茸の香りをつけた油の中で火を通した虹鱒。ほうれん草で包んでいるのは、端切れの虹鱒と蟹の身、レモンジュースと香草で合わせたタルタル。ソースは今が時期のシストルをお湯の中に抽出し、牛乳を加えたエスプーマと、シストルを餌にしている牛のコンソメの組み合わせ。ういきょうと根セロリのピュレが柔らかさを出します。

アイユ・デ・ズルスという香草の香りのオイルをアクセントとして添えています。虹鱒は生のように見えて、食べてみると実は火が通っているという、見た目と食感の違いを狙っています。

Omble chevalier poêlé,sarrasin en deux cuissons, jus au beurre noisette
オンブル・シュヴァリエのポワレ、蕎麦の実の2種類の調理法、ブール・ノワゼット

オンブル・シュヴァリエ(アルプスいわな)はたっぷりのバターに「カシャ」という種類の蕎麦の実と共に、香りを出しながらゆっくりと火を通します。付け合せにはそのカリカリとした「カシャ」ともう一種類の蕎麦の実「サラザン・ブラン」を茹で、ソースを使って和えた2種類の食感を楽しめます。

もう一つはにんじんのヴィッシー風とそのあまりで作ったピュレです。ソースはマッシュルームをベースにし、蜂蜜、レモンジュースとオレンジジュースを加えた爽やかな味わいです。

Marcon氏は料理を作る際、土地の食材を生かし余すことなく使うことで、食物を大切にするよう心がけているそうです。

最後に、清水さんから現在の研修生活についてお話をしてもらいました。忙しい毎日の中、フランス語で苦戦しているようで、今のうちに少しでも多く話せるようにと、熱弁していました。
フランス語も沢山勉強して、授業中に使えるようにしましょう。

今回のアシスタントは、左から佐伯侑大さん、笹岡慎治さん、下田直弥さんでした。