FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

調理外来講習 M.Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏)/Maison DECORET(メゾン・デコレ)

フランス校教壇から

2018.07.10

本日のレクレール校の外来講習は、毎期レクレール、エスコフィエ両校で講習を担当されており、ヴィシー(Vichy)にある1ツ星レストラン「メゾン・デコレ」のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏です。

またデコレ氏の店では、研修生として学生を受け入れていただいています。
1996年にフランス最優秀職人章(M.O.F.)を受章されており、1998年にご自身のお店をオープンしてから今年で20年になるそうです。
シェフは料理の想像力がとても豊かで、味や風味の引き出し方に独自の技術を使って作成され、盛り付けも繊細です。


まずは一品目
Sur l'idée d'une soupe aux choux, l'huître de Gillardeau n°2 /  Grillon et graisse de porc
シューカールという丸くならない特殊なキャベツを使ったスープに、生牡蠣のグリエ、豚バラ肉の塩漬けをスライスしカリカリになるまで焼いて細かくカットしたもの、ライ麦パンのクルトン、シューカールの若芽を飾った一品。
スープはほうれん草と少量の重曹を使うという、緑色の鮮やかな色を残すテクニックを施しています。またこの料理はもともと、キャベツのスープに豚の塩漬けを合わせたオーベルニュの地方料理で、豚肉を生ガキのグリエに変えられたそうです。研究生もこの味にとても興味を示していました。


次に二品目
Poulet fermier du Bourbonnais poêlé et poché dans un lait parfumé aux champignons de Paris et cèpes secs
鶏の骨付き胸肉を低温のオーブンで火を通し、その後皮目を再度しっかり焼いたものに、付け合わせとしてセップ茸の粉、ほうれん草のソテと新芽を飾り、ソースはマッシュルームにセップ茸の香りを移したクリーミーなソースを別に添えた一品です。
ここでもシェフならではの技術を披露してくれました。最初はバターを使わず、ひまわり油を使って強火で鶏の胸肉に焼き色を付け、その後はラップで全体を覆い60℃の低温でゆっくり中心まで火を通します。また盛り付ける前にバターの香ばしい風味をつけ、皮目をカリカリに仕上げるといった技法。次にシャンピニョンもバターを使わずしっかり焼き、自家製の乾燥セップを水で戻したものと、その戻し汁で香り高いソースを作成されていました。
研究生たちは今まで見たことのない火通し方、ソースの作成をしっかりと逃さないようにノートを取っていました。


最後はデザートです。
Une fausse crème prise aux saveurs de menthe fraîche / Quelques fraises Mara des bois de Chateldon et gavotte aux pastilles de Vichy
まずはミントの風味を付けたゼラチン入りの生クリームピューレをお皿に盛り冷やし固めます。次にイチゴのピューレ、フレッシュのイチゴ、イチゴのソルベ、そしてガボットと呼ばれる薄く焼いたクッキー生地を飾り見た目も華やかです。何より驚いたのは、イチゴのピューレは、加熱時に鍋蓋をせずラップで密閉し、しっかりとイチゴの風味をピューレに残していました。従来のやり方とは少し違う、より風味を増す技術を学ぶことができました。

最後は現在の研修生、亀田竣太君による研修報告です。しっかりと店にも慣れている様子で、彼が話している最中にシェフからいろいろ合いの手が入っているところをみると、かなり気に入られている様子でした。

最後に今回のアシスタントを担当した研究生たちと記念撮影をしました。


写真左から亀田君、古田優文君、シェフ、市原輝瑠さん