FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習 Régis SAINT GENIE (レジス・サン・ジュニ)氏/Restaurant BRAS(レストラン・ブラス)

フランス校教壇から

2018.02.15

オーブラックAubrac地方のライオールLaguioleにある
「レストラン・ブラス」は、現在、世界的にもっとも影響力が大きいレストランの一つ。
交通不便な遠隔地にもかかわらず、世界中から予約が殺到する名店です。
地元の産物を駆使し、独自の料理哲学で創造する料理は、世界中に多くの信奉者を持っています。

サン=ジュニ氏とジョナタン氏

今回は普段来校いただいている、エグゼクティヴシェフのセバスチャン・ブラス氏が、所用で来校できなくなったため、シェフのサン=ジュニ氏とセコンドのジョナタン氏に料理を披露して頂きました。
サン=ジュニ氏はレストラン・ブラスで35年間勤務している方で、以前にもセバスチャン・ブラス氏と共に、エスコフィエ校で講習をして頂いたことがあります。
ジョナタン氏はレストラン・ブラスで7年間働いており、以前はブルゴーニュ地方の名店レストラン・ラムロワーズLameloiseでも働いていた経歴の持ち主です。

☆今回披露いただいた2品

Morue voile de Tome
塩水に漬けた鱈の表面に黒ゴマのペーストを塗り、生のまま提供します。ライオール産のトムフレッシュチーズをお湯で柔らかくして薄く伸ばしたものを付け合わせにしています。
また、何種類かの葉類が添えられていますが、これらはお店から持参して頂いたものです。
ソースは半熟卵とオリーブ油をミキサーで乳化させたものに香草を加えています。
この料理は冷製の前菜としてレストランで提供されています。

Chou farci foie gras vinaigrette de truffe
塩湯がきにした縮めんキャベツの葉を日本の巻きすに広げて、フォワ・グラとゆで卵、水でふやかしたパンを
巻き上げた料理です。ソースはトリュフで作ったドレッシングと、鱈の料理同様に半熟卵を使いナヴェットオイルで乳化させたものにゼラチンを加えたソースです。
シンプルな料理ですが、レストラン・ブラスではすでに7年以上作り続けられている料理です。
あらゆる食材を大切に扱っているので縮めんキャベツの芯の部分は形を整え、別に塩湯がきして添えられています。中の詰め物のパンも残って硬くなったものを大切に再利用しています。

エスコフィエ校では学校企画の食べ歩きで既に多くの学生がレストラン・ブラスを訪れており、今回の講習を心待ちにしていました。
レストランで提供して頂いたガルグイユー・ドゥ・ジュンヌ・レギュームGargouillou de jeunes légumesの盛り付け方に関する質問や、料理人として大切なことは何なのか等、多くの質問が出ました。
レストラン・ブラスで引き継がれているエスプリや、レストランに関わる全ての人への家族のような繋がりなをお話しして頂きました。

シェフを囲んで、助手を務めた濱田 航君(右側)と関根 智大君(左側)と一緒に写真を撮りました。