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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 Mme Marie=Paule MEUNIER (マリー=ポール・ムニエ氏)、M. Cyril DEGLUAIRE(シリル・ドゥグリュエール氏)/Comité International de la Volaille de Bresseブレス鶏生産者組合

フランス校教壇から

2018.06.15

今回の授業は通常の料理講習ではなく食材研究です。フランスが誇る有名なブレスの鶏について説明するため、講師としてブレス鶏生産者組合からマリー=ポール・ムニエさんとシリル・ドゥグリュエールさんにお越しいただきました。


左:シリル・ドゥギュレール氏 右:マリー=ポール・ムニエ氏

まず、ムニエさんよりフランスで生産される食物の品質管理の制度と、ブレス鶏の飼育方法やどのようにブランドを守っているのかの解説がありました。
1935年に「原産地管理呼称」別名AOCと呼ばれる制度が、1992年にAOPと言われる「原産地保護呼称」が整えられました。両制度とも、農産物や加工品の品質、製造方法、偽造から生産者や生産物を守るためにあり、数多くの食物につけられています。今回研究生たちが学ぶブレス鶏にも、AOPのしるしとしてバッジやチケットがあり、それを手に入れるためには数多くの基準をクリアしなければならない事を学びました。


画像でもわかりやすい説明がありました

次に若鶏、肥育鶏、七面鳥、去勢鳥に関して飼育期間がそれぞれ決められていること。例えば、若鶏のひな鶏は約5週間ゲージの中で飼育され、シリアルや乳製品など飼料を与えられます。その後鶏一羽に対して最低10㎡と決められた面積の野外飼育場で放し飼いにされます。この期間に体を動かすことで鶏の身が引き締まり、たくましくなります。その後再びケージの中に戻され成熟段階に入り、その後出荷されます。研究生たちは、ブレス鶏が厳正なルールに則って飼育されていることに驚いていました。また野に放たれて飼育される際、ワシやタカなどに襲われてしまうこともあり、良い肉質を得るための大変さも理解できました。


100羽近くが襲われるという年もあったそうです。

ブレスの飼育方法について聞いた後は、毎年クリスマス時期に開催される、その年のブレス鶏の肉質の良さを競う品評会について話されました。同じ種類の鶏を3羽一組で特別な処理をほどこしてから出品します。

ドゥグリュエールさんが品評会用の鶏の整形方法を実際に見せて下さいました。
まずは丈夫な麻布と針でしっかりと鶏を包む「包み縛り」と言われる作業です。鶏を傷つけないように針の先が曲がっているのが特徴で、一針一針丁寧に縫っていきます。

しっかりと縫った糸で絞めながら、きれいな楕円型になるように成形し、その後、鶏をマッサージし表面の脂を全体に広げては冷蔵庫に入れて冷やすといった工程を数回繰り返して、鶏全体に脂がまわり、真っ白になってから品評会に出品します。若鶏の場合は、フランス国旗のトリコロール(青・白・赤)のリボンを最後に飾ります。



全体をきれいに整形された鶏を研究生たちが手に取ってその形に感心していました。

今回の授業では、飼育から出品までかなりの時間と手間がかかることを研究生たちは知りました。


最後は実演されたドゥグリュエールさんと研究生との記念撮影を取りました。