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「カトル・カール」とは“1/4 が 4 つ”という意味のフランス語で、「パウンドケーキ」という名前でよく知らている菓子です。
バター、砂糖、卵、小麦粉を同量ずつ使用して作り、バター生地の中では基本のものといえます。このページで、基本の操作をしっかり習得して下さい。





かしまし娘の<カトル・カールよもやま話> 


O:以前バター生地としてマドレーヌを紹介したけど、あれは無理矢理バター生地に分類して、手始めに作ってもらいやすいメニューとして出しました。今回はちょっとレベルアップして、バター生地の基本中の基本のカトルカールです。

K:基本中の基本やのにレベルアップ?

O:基本やけど失敗しやすい点もあって、難しいやん。言葉にすると、マドレーヌと同じで「混ぜるだけ」やけど、いちいちポイントがあるし・・・。だからレベルアップ。

M:今回ベーキングパウダーは入れてるの?

O:写真用に作ったものは入れずに作ってるけど、難しいかなあと思ってレシピには入れといた。

K:うん。入れた方がいいと思う。バター使って、ベーキングパウダーなしで作るのって、かなり難しいよ。この配合って四同割(主となる四つの材料が同じ分量)やったよね?

O:うん。

K:そしたら、卵入れるときに失敗する人が多いと思う。分離しちゃって、ベーキングパウダーも入ってなかったら「何これ?」という状態のものが出来てしまう。

M:スポンジ生地を失敗する時みたいに大きな失敗はないけど、細かい部分で小さなミスが重なって、味の差は確実に出るよねぇ。素人目には分かりにくいけど・・・。

K:私はよく友達から「何かおかしいねんけど、なんでか判らへん」って、出来上がったバターケーキを持ってこられて、見たら分離して生地がつながってない状態って言うのがあった。で、それを説明するけど、生地の細かい違いなんて判ってもらえなくて・・。大きい失敗は少ないけど、判りにくい失敗をして美味しくないものを作ってしまってることは多いと思った。

O:うーん。確かに、カトルカールって全てがシンプルで、一見簡単そうやけど、奥が深いというか・・・作り手の腕で差が出るお菓子やなぁ。

M:ポイントはやっぱり、バターの固さと卵の入れ方?

O:うん。バターは固すぎたら上手く空気を含めへんから、前もって1〜2cmの厚みに切って、ボールの中に重ならないように広げておく。それを冷蔵庫に入れずに出して置いて、全体の固さを均一にするというやり方でやってる。固まりのままやったら、外だけ柔らかくなって、中は固いなんて事になったりするから。そこでバターの温度調節が上手くできれば、第一関門クリアー。

K:急に作りたくなって、バターが柔らかくなるのを待ってる時間がなかったら、湯煎につけて戻したりするけど、あの方法なら短時間で出来ない?

O:うーん・・・。絶対ダメとは言わへんけど、その方法はなるべくやりたくない。下手すると柔らくなりすぎて、その後の作業に影響するから。

K:そうかぁ。そう考えると、ケーキ用のマーガリンって扱い易いよねぇ。柔らかくなり易いし、混ぜ易い。おまけに空気の含みも良い。味の面ではバターに劣るけど。


M:私はバターケーキを作る時、バター2:マーガリン1の割合でミックスして使ってる。空気の含みがよくなるし、材料費も安く上がるから。

O:今回の「シュガーバッター法」(バターに砂糖を入れて作る方法)で大切なのは、砂糖を入れた段階でしっかり混ぜて空気を含ませることやから、空気を含み易いマーガリンの特質は凄くいい。それに、バターよりマーガリンの方が卵を入れたとき分離しにくいもんなぁ。バターと混ぜることによって風味のことを考えたり、コストの面まで考えてるなんて、やるなあ。

M:いやいや、はじめのきっかけはバターが足らんかったから代用したというだけなんやけど。(笑)よくよく考えたら、混ぜて使う利点はあるなあと思って、続けてます。

K:普通バターケーキというと、フルーツケーキとか、中に何か入っていることが多いからマーガリンでもごまかせるけど、今回、カトルカールやからバターの風味は味にはっきり出るよねー。

O:うん。シンプルなだけに、材料の味も作り方の差も出やすいと思う。でも、マスターすれば、他のいろんなバターケーキが作れると思うし、ここでしっかり覚えて欲しいです。





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