PLUM(プラム)

プラム(Prunus domestica)は、チェリー・プラムとリンボクの実との雑種です。

グリーンゲージ、ダムソン、ミラベルなども品種改良したプラム科の仲間とされることもありますが、たいていは別々に分類されています。
プラムは環境が整えば(冬寒く、夏暖かい気候)容易に栽培できます。
アメリカで成育する品種はジャパニーズ・プラム(梅、実際は中国のもの)の子孫ですが、イギリスの品種は西アジアが原産地です。プラムは、スペイン、ドイツ、南北アメリカ、バルカン諸国、南北アフリカの輸出品として、年間を通じて入手することができます。

プラムは料理用、デザートあるいは生食用、非食用と大きく3つに分類できます。そして、色、サイズ、味、形ともさまざまです。
皮は赤、黄色、紫、オレンジ色とあり、果肉は緑、黄、紫、赤といった色があります。果肉と種がくっついて離れにくい粘核と、簡単に離れる離核という区別もあります。ヨーロッパには名前のついているものだけで1000種以上のプラムが存在します。そのうちの大半がアメリカ原産で、カリフォルニアだけでも40を越える品種が栽培されています。非食用のものを除いて、大半のプラムは生食に向き、料理用としても大変おいしいものです。



デザート・プラム

デザート用プラムは料理用プラムより水分が多く、糖分の含有率も高く、香りも優れています。

ヴィクトリア 英国で最もよく知られている品種のひとつです。収穫量も多く、形は卵型で、皮は赤味の多い黄色をしています。
果肉は甘くて水分も多く、口当たりがよいプラムです。プラム酒、コンポート、パイに向いています。
ジャパニーズ・プラム 皮の色は黄色、オレンジ色、赤があり、まろやかな口当たりです。
レッド・ビューティ 水分が多く、熟すと皮は濃赤色に、果肉は薄い赤になります。
サンタ・ローザ アメリカのデザート用プラムとして、おそらく最も有名な品種です。濃赤色の皮で、丸く大粒です。果肉は水分が多くて、甘く、香りも高いプラムです。



料理用プラム

料理用プラムは酸味が強く、果肉に水分の少ないものがほとんどです。デザート用プラム同様、色は青味がかった黒(これが大半)から緑がかった黄色、紫っぽい赤などさまざまです。いろいろな形をしたものがあります。


ラクストンズ
・クロッパー
英国産のラクストン・プラムの一種で、使い途が多い種類です。
スタンリー アメリカ原産のポピュラーな品種です。
ダムゾン

ダマスカス産で、先がとがっている分、他のプラムより長めです。青味がかった濃紫で、強い酸味があります。熟したものはジャム、パイ、ダンプリング、ピューレに最適。

香りの強いこのプラムは、ワインやフレーバー・ジンを作るのにもつかわれています。

クエッチ おそらく東ヨーロッパでは最もよく知られている料理用プラムです。小粒の黒っぽい果実で、ダンプリング、タルト、ブランディを作るのに使われています。
ミラベル デリケートな風味で、他のプラムよりも小ぶりです。多少赤みのある黄色の皮で、果肉は堅めですが甘味があります。もともとアルザス地方で栽培されていたもので、プリザーヴに向いています。ブランディでも有名です。
ロイソン アメリカ産で、黄色の斑点入りの明るい赤色の皮をしています。



非食用のプラム

非食用のプレムはアメリカの太平洋沿岸から日本まで、北半球の多くの国で見られます。


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