体の色

鯛の色はというと、やはり赤いイメージが強い。

 ところが、、養殖の鯛はどうも天然のものとは色が違います。これは、元来鯛は光のとどかない深い所で生活しているのに対して、養殖は海面近くで行います。太陽の光が人間と同様、鯛を日焼けさせるのです。その結果、色の黒い鯛となってしまいます。

 しかし、あまりにも黒い色をした鯛は市場から反発を受けたため、生け簀に覆いをかけることで日焼けを防ぐという工夫を始めました。ところが、ここで皮肉な現実に遭遇しました。確かに生け簀の上部には黒い覆いをかけることが出来るのですが、横から差し込む光を遮断することはできないのです。ということは、海の水がきれいであればあるほど鯛は日焼けしてしまうということになるのです。


 またもう一つ、鯛の体の色に関係するのがエサです。天然の鯛はエビやカニなどを主食としています。エビやカニはアスタキサンチンという赤色を呈する色素をもっているため、これらを食べた鯛の体の表面が赤くなるというわけです。

 一方養殖鯛はというと、かつてはイワシを主体とした生餌を、最近ではオオナゴ(イカナゴの地方名)等を使った半乾燥や乾燥の餌を与えています。しかしながら、これらのエサには色素が含まれていないため、赤くない鯛が出来てしまうのです。

 そこで、対処として半乾燥や乾燥のエサに色素(アスタキサンチン)を添加したものを与えることで、色づけを行っているのです。

 遊子漁業協同組合では色づきの具合を検査し、不合格になったものは出荷延期となるそうです。





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