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日本料理のブログで授業見学110 グループ実習「学生考案メニューいよいよ本番!」後編

辻日本料理マスターカレッジ

2020.02.20

昨年10月から1年の締めくくりとなる実習メニューを学生(グループ)だけで考えてきました。
試作もこれまで2回行い改善をしてきました。

そしていよいよ本日が本番となります。
料理は昨日、丸一日と本日の午前中に料理の仕込みを行い、
13:10から約2時間かけて料理を一品ずつ仕上げて提供することとなります。

13:00講習室にスーツ姿の学生が集合!
今日は日本料理店へ食べ歩きに行くつもりで正装です。

上村くん、春岡くんともおしゃれに決まってます。
全員スーツ姿に会場がザワザワ~

「スーツ着るの就職の面接以来、ひさしぶりやわ!」
「次着るのは、卒業式やな」
「俺、スーツでなくはかまかも」
「オッ・あいつスーツ、ビチピチやん、太ったな。」

どうでもいい話しでした(笑)


時間は定時の13:00となりいよいよ始まります。
まずは4グループの代表者から、簡単な本日提供する料理について説明。

マイクを持つ米山くん緊張のあまり言葉が弾みません。
それでも充分に君の言いたいことは全員に伝わってるぞ!OK

緊張したムードでのあいさつ、説明が終わり、会場もホッとした瞬間。
「明後日は俺らも挨拶やな。緊張するやろな。」
「今日はこの料理が食べられるんや、みんな頑張ってたもんな。楽しみ~」

今日の試食会はただ単に料理を食べて終わりではなく、
提供される料理一品ずつに対して「この料理はどこにこだわり、どの部分を評価してほしいか」が
細かく書かれた評価表で採点します。

作る学生は真剣です。そして食べる学生も真剣なのです。
下手なお世辞はいりません!
良かった点、悪かった点を正直に伝えてあげることがこの試食会のあり方です。

試食するのは学生、これまで指導してきた日本料理の教員、日本料理以外の料理担当教員、
外来講師なども一緒に評価します。
私は第1グループのコース料理を試食することとなりました。

グループのテーマは冬から春にかけて季節の変化を料理で表現するという意味で
「一陽来復」とつけたそうです。

まず1品目は先付です。
一番最初に客が目にする料理は、特に季節感を感じてもらうことを意識します。
充分春を感じる一品です!それぞれの食感、味付け、色合いもいいですね。一緒に食べた学生も同意見。


次は「椀」鯛しんじょ清汁仕立て!
この1年間、特に「美味しいだし汁が引けるようになる」ことを実習を通じて実践してきました。
*椀とは吸物のことです。
*しんじょは蒲鉾を柔らかくしたものと想像してください。

今日の椀の完成度は、私も一緒に試食する学生も特に気になる一品なのです。
写真を見て!湯気が上がってます。食べると勿論熱々!だし汁の引き方も完璧、
そして味付けの少量の塩加減もいい!鯛しんじょの固さも箸で抵抗なく切れます。

私の評価はOK!


試食する渡邉くん、畠くんも私と同じ感想です。

「上手に作ってるよな。」「熱々で仕上がってるし充分ちゃう。」
「手前のほうれん草がもっと、まとまってたらもっと奇麗に見えるけどそれは無理かな?」

私もそう思います。
切る長さを工夫して盛り付け方を変えた方が良かったね。


料理を提供するとき、料理を作った学生が一言説明を添えます。
「本日の椀物、鯛の潮仕立てです。だしの引き方に工夫をこらしました・・・・」
のような感じで説明。


3品目は刺し身「鯛のそぎ造り、松皮造り」
シンプルな刺し身ですがこの鯛天然にこだわってます。

そのため余計なものはできるだけ省き、鯛そのものの味を楽しんでもらうことを優先させたそうです。

うん・確かに鯛の味を楽しめてる感じがあります。鯛の皮にも適度に火が通り良い触感です。
しかし色合いが少し寂しい気がするのは私だけ?


4品目はこのグループが今回一番こだわった料理です。

シンプルな鴨鍋に見えますが鍋のだし汁に工夫があります。
だし汁、みりん、醤油をベースに作られた鍋だしに「ほうじ茶」が入ってます。
なぜ?
「茶の成分で鴨の生臭みとなるクセを消すことができ、食べた後サッパリとして
次の料理を食べるとき口の中もさっぱりするので次の料理の味を損なわないのです。」

これ学生が言ってました。
この発想は素晴らしいと思います。学校でも教えたことがありません。

実際食べてみてどうだろうか?
「ほうじ茶のほろ苦さと鴨、うまくバランス取れてるやん~」
「たしかに後味がさっぱりする」「水菜もおいしい~」
「でも柚子が小さく切りすぎてるからほうじ茶の味と香りに負けてるな。」

これも試食した教員、学生とも同意見。
でも充分美味しくいただきました。テーブルでも盛り上がりました。
この料理はまさに冬だね!テーマに沿ってるな。


5品目は「桜エビのかき揚げ」ですが、提供するまでに時間がかかりすぎです。
ここまで良いテンポで提供されていなのにどうした?

空白の時間が続けば自然と沈黙となります。
おいしさは皿の上の料理が美味しいかまずいかだけではありません。

ようやく提供された「桜エビ」を一口「ん・こんな食感でいいの?」
「もっとサクサクしてるもんだよね」「俺のもサクッとしてない」

私もそう思いました。
試作ではサクサクの良い状態で揚げてたのに残念。


学生もこれまで何度も天ぷらを個人実習でトレーニングしてきました。
良い触感の天ぷらを知っています。
そしてどの部分を評価するべきかもわかっています。

こちらのテーブルからは
「分厚く揚げてるから中まで火が通りにくいねん」
「もっと薄くして揚げたらいけるよね」

その通りです。
この料理は合格点はつけられません。
後でしっかりフィードバックします。

最後は土鍋で炊いた白ご飯と鯛のあらで引いただしを使った味噌汁で締めます。
ふっくらと蒸らし状態も良くツヤツヤでした。味噌汁も美味しい~


私は第一グループの料理をいただきましたが
他のグループはこんな感じでコース仕立ての料理を作り提供、そしてしっかりと評価を受けました。


試食会終了後は各テーブルごとで教員、学生が代表で食べた感想を発表。
良かった点、悪かった点をしっかりと受け止めて就職先で活かしてください。

大変お疲れさまでした。

さあ!次は隣のクラスが料理を担当します。
後日ブログで紹介します。