日本料理のブログで授業見学77 番外編「氷見の寒ぶり卸します!」
明日の日本料理理論は「ぶり」について学びます!
事前に身を卸して塩をまわすなど仕込みをします。
本日入荷の富山県産「氷見の寒ぶり」です。重さは何と14㎏!(2尾入荷)
ぶりを持つ小川先生は身長176㎝、体重87㎏。いかにぶりがデカいかわかるよね!
ブリの旬は寒い冬!脂がのって旨いぞ!
ぶりは高級な魚ですが特に「氷見の寒ぶり」といえば超高級なのです。
なぜ?
理由は氷見で400年以上前から行われている定置網漁法にあるそうです。
定置網?
氷見の寒ぶりは、大間のマグロみたいに一本釣りではありません。
ぶりは温暖系の魚で、九州西部の五島列島あたりで産卵します。
そして春から夏にかけて対馬暖流に乗って日本海を北上、
秋まで北海道周辺で捕食して、春の産卵に向けて体に栄養をためていくんです。
冬になって水温が下がってくると、また南下し始めます。
その途中、佐渡島のあたりで海が荒れると、富山湾の奥深くまで避難してくる。
それを定置網で捕らえます。
能登半島を南下して、島根沖から九州に近づくにつれて、
産卵の準備のため体から脂が抜けていくそうですが、
富山湾に入ってくるぶりはまだピチピチ。
数キロにも及ぶ大きな定置網に入り込んだぶりは、
船に揚げられる直前まで気づかずにのんびり泳ぎまわっているそうです。
ぶりを船に揚げたら、一気に水氷に浸けて仮死状態にする。
これを『沖じめ』というんですが、このやり方が『氷見寒ぶり』の鮮度と旨みの秘密と言われます。
もちろん値段も超高級です。
ぶりの仕込みは堀井先生が担当!まずはウロコを引きます。
ぶりのウロコは小さく柔らかいので「すき引き」といって包丁をウロコと皮の間に入れ
ゴシゴシと上下運動しながら引いていきます。こうやるとウロコは残りません!
ぶりは巨大なだけあって内臓も大きい!腹の中もきれいに洗います!
できるだけ中骨に身が残らないように慎重に卸します。
三枚に卸されたぶりを見ればわかるけど、身全体的に身が赤いよね。
これも氷見の寒ぶりである特徴です。
刺し身は勿論のこと、焼いても、煮てもおいしいのです!
かす汁もうまいぞ!
巨大なぶりは背側の身と腹側の身に分けて調理します。
これは腹側の一番脂ののってる部分!
牛肉で言えば霜降り部分、ぶりも一番うまいとされるところ。
氷見の寒ぶりは他のぶりと違って脂の質がよく、臭みがなくコクがあると言われてます。
頭の部分は包丁で小さく切り分け塩をまわします。
この部分は明日「ぶり大根」というぶりの定番料理に使います。
もちろん学生全員試食します。
これはぶりの頭部分を解体したときにでてきた「えら」です。
とにかくデカい!きれいな赤色です。これをみればぶりの鮮度の良さがわかります。
明日の授業ではぶりの知識と学ぶ料理全品を試食して他のぶりとの違いを学ぼう!
ぶりを卸し終えた堀井先生ヘトヘトです(笑)
お疲れさまでした。