さざえ

さざえは外海に面した20メートル以内の海底の岩礁で獲られるゴツゴツと、つのの立った巻き貝で、身はややかたく、海藻を食用とするため磯の香りと独特のほろ苦い旨味を有する。
独特の管状のつのは、波の荒い外洋のものほど立派であるが、波の静かな所で育った俗に「つのなしさざえ」と呼ばれるツルッとした形のものも別種ではない。角があるものの方が値段は高いが、国内で獲られたものであれば味に大差はない。輸入されたものは、つののないものが多いが、つののあるものを求めるほうが味の上では無難である。
年中出回っているが、春から夏が旬で、6〜7月の産卵期の少し前に特に味が良くなる。大人の握りこぶし位の大きさで300g以上のものが良いといわれている。
殻の中にかくれている部分の先端にらせん状の生殖腺があり、雄はクリーム色、雌は緑色をしている。
この小説の舞台である鎌倉がある神奈川、他に千葉、三重、島根、山口、長崎の6県で国内のさざえのの65%以上が捕獲されている。

辻調グループ 最新情報はこちらから