■カジノ内の2ツ星レストラン『ラ・ロトンド』


『ミシュラン ル・ギッド・ルージュ2000』で新たに今年2ツ星に昇格したレストランの中に、辻調グループフランス校の研修生も長年お世話になっているレストランがある。リヨン郊外の町、ラ・トゥール・ドゥ・サルヴァニーの「カジノ・ル・リヨン・ヴェール」内にある『ラ・ロトンド』だ。ここは、その「カジノ」という名が示す通り、公式なギャンブルのためのカジノ施設で、レストランも同じ階に設置されている。厨房には女性スタッフの姿も見られる、活気あるレストランだ。

若きシェフ、フィリップ・ゴヴロー氏は35歳。1997年には、ヨーロッパの料理人たちが腕を競い合う料理コンクール「ピエール・テタンジェ国際料理賞」で優勝を飾ったこともある実力派だ。今年3ツ星を獲得したパリの『グラン・ヴェフール』をはじめ、数々の一流レストランで経験を積み、1987年、ニースのホテル・ネグレスコx『CHANTECLERシャントクレール』でジャック・マクシマンに師事した。フランスの業界各紙の記事によると、彼は当時を振り返ってこう述べている。

「もともと、たくさんのレストランを見て回りたいと思っていたんですが、『シャントクレール』に来て“もうここから動く必要はない”と思いました。そこでは、変化と独創性に富んだ料理に自発的に取り組んでいたんです。何もかもが感動に値するものでした」

その後、パリの『LEDOYENルドワイヤン』、『RICHEMOND-TREMOILLEリッシュモン・トレモワル』を経て、マクシマン氏とともに、92年『ラ・ロトンド』ヘ。その15ケ月後に『ラ・ロトンド』はひとつ目の星を獲得した。
その後シェフとなったゴヴロー氏とともにレストランを動かす他のメンバーも、セカンドのフィリップ・オジェ、支配人のフレデリック・ファス、メートル・ソムリエのアラン・グスとみな実力派ぞろい。

昨年、大晦日に愛娘のアレクサンドラちゃんが生まれたばかりのゴヴロー氏。娘の誕生、2ツ星の獲得と、いま乗りに乗っているシェフの生み出す料理をぜひチェックしたいところだ。




佐藤 重文






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