寒天について
ところてんは中国から製法が伝わってきましたが、寒天の場合、日本で作り始められたもののようです。その歴史は、奈良時代の天平5年(733年)の出雲国風土記にまでさかのぼります。テングサ
から寒天を抽出し、これを食したとあります。
しかし、寒天の製造方法の発明は江戸時代の初期になってからです。寒天の製造法の発明には次のような物語が語り継がれています。
京都伏見の旅館の主人であった美濃屋太郎左衛門が、冬期にトコロテンを 作り薩摩藩主島津候に供しました。残ったトコロテンを戸外に置いておいたところ、冬の寒さで凍り、数日後には、自然乾燥の状態で乾物になっていました。これを太郎左衛門が見つけ、ひらめきによって寒天の製法が編み出されたのです。和菓子の原料として年々改良され発展し、天然寒天の製造法を発明しました。
なお、名前の由来は寒い天(そら)の下で作られる事から「寒天」と呼ばれていますが、京都宇治の万福寺を建てた隠元禅師(1562〜1672)によるものだと言う説もあります。
寒天の原料
寒天の原料は紅藻類で、主に天草・オゴノリ・オバクサ・イタニクサ
寒天は、大きく分けると2種類
天然寒天・・・ |
冬の寒さを利用して作り、季節や気候に左右され品質に多少の差がある。戸外で干すため不純物が有り、裏ごしが必要。 |
工業寒天・・・ |
気候や天候に左右されず、一定の品質で工業的に機械で生産される。このために裏ごし不要。 |
寒天の種類
◆天然寒天 [糸寒天] [棒寒天]
◆工業寒天 [フレーク寒天] [粉末寒天] [カラギナン] |
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