かしまし娘の<チーズケーキよもやま話>
万希子(以下M):今回はチーズケーキっていうことやけど、どういうタイプのチーズケーキなん?
亨子(以下K):いろんなチーズを使って、いろんな種類のチーズケーキが作れるけど、今回はゴーダチーズを使って、メレンゲの入るスフレタイプのものにしてみた。
M:ベイクドタイプのふわふわのヤツや。
直子(以下N):いろんなチーズケーキの中でも、食べやすくて万人受けするよね。
M:チーズケーキって、ほんまに色々あるよなぁ。
ベイクドタイプでも、タルトみたいに作る濃厚なものもあるし、焼かずに作るレアタイプのものもある。その中でも、今回のが一番受けがいいんかなぁ?
K:一時、スフレタイプのベイクドチーズケーキで、すごく流行った店があったし、人気はあると思うよ。
M:私の友達に、今回のスフレタイプのチーズケーキを嫌う子が居て、その子曰く「チーズ風味のスポンジやん。」って。
O:水分の多い果物はむかないよね。すいかとかぶどうとか。梨も洋梨はいいけど、20世紀はちょっと・・・
N:確かに、チーズの味があんまりしないし、ふわふわし過ぎてるから私もあんまり好きじゃない。
K:そうなんよ。どうしてもチーズの味が出ないので、今回はしっかり味が出るように、ゴーダチーズを使ってみたんよ。だから少しは味が濃く出来てる。
M:日本ではこのタイプのチーズケーキをよく見掛けるけど、フランスではどのタイプが多いの?
K:フランス全体で見ると、ないに等しい。
M:えっ?!ないの?
K:チーズって、香りや熟成具合を楽しむものなんよね。だから、フランス人は「パーフェクトに仕上がってるチーズを、お菓子の材料にするなんて信じられない。」って言うよ。
ま、例外的にアルザス地方やポワトゥー地方で、地方菓子としてはあるけどね。
M:そうなんやぁ。タルト風のしっかりした味のチーズケーキは、フランス全般にあると思ってた。
私がドイツで研修してた時に、どっしりとしたタイプのベイクドチーズケーキを作ってたし、ヨーロッパでは普通なんかと思って。
K:今回はフランスでどうのというより、日本で親しみのあるものを紹介しようと思って選んだから。
M:そっかぁ。意外やったなぁ。いろんなチーズケーキがあるかと思ってた。
N:チーズがいっぱいある国やからそう思った?
M:うん。(笑)プロとは思えない感覚やんなぁ。
K:ドイツの人はチーズは食べないの?
M:うーん、食べるし、美味しいドイツ産のチーズもあるんやろうけど、ドイツに居た頃に食べて美味しいと思ったチーズは、フランス産やった。
やっぱりフランスの方が美味しいチーズ作ってるんやろうと思う。
N:だから(フランス程チーズにこだわりがないから)チーズケーキがあるんじゃない?
M:なるほどね。ドイツにしろ日本にしろ、チーズとしての完成度が低いからお菓子にしちゃうのか。
N:フランス人程芸術的感覚でチーズを作ってしまうと、それを変形させてしまうなんて、許せないんやと思うよ。
K:同じように芸術的にこだわって作ったワインも、そのまま飲むのが一番美味しいし。
N:そうそう。芸術的なチーズとワイン。みんなこだわって作ってるし、そのまま(手を加えずに)口にするものなんよ。
M:そっか。そこまでいくと、もう、文化やんね。
N:そう。伝統的文化って言えるものやと思う。だからフランス人でも若い人で、何か変えようと考えて、あえて使ったりする人はいるけど、日本みたいにポピュラーなものにはならない。
K:ま、フランスにはないけど、日本で馴染みのあるケーキやし、それはそれでいいと思う。
M:今回のポイントは?
K:メレンゲかな。あんまりしっかり立て過ぎずに、少し柔らかいものにする。
M:立て過ぎると、生地が膨らみすぎて割れたりするよね。
N:焼く時に蒸気が多すぎて割れることもあるよ。私はあんまりやらないけど、今回は蒸し焼きにしてるよね。
K:ん。しっとり焼けるからそうしてる。
M:私が家で作る時は、プレート全体にお湯を入れずにプリンカップ等にお湯を入れて、一緒にプレートに乗せる程度にしてる。
それだけでも、密閉度の高い家庭用のオーブンな充分水分たまるし、上手く焼けるよ。
N:そうやんな。その方法でいけると思う。蒸気無くても焼けるし。
M:焼き方にしろ、メレンゲの立て具合にしろ、考え出すと難しいよね。
N:ま、はじめは失敗していいんよ。そういうもんやと思うし。
K:失敗して学んでいって下さい。(笑)