日本料理





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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 乾めんをゆでるときは大きな鍋にタップリの熱湯
解説
乾めんと一口にいっても、うどん・そば・冷や麦・そうめんとその種類は豊富です。どのめんの場合でも、できるだけ短時間でゆで上げることが大切です。大きな鍋にたっぷりの熱湯をわかし、強火でゆでるのです。理由は、コシがなくなるからです。ゆでるのに時間をかければかけるほど、めんの表面が溶けたようになり、歯応えがなくなります。そうなる前に、中心まで火を通してしまうということが大事です。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ ゆでた乾めんは、水の中でもみ洗い
解説
たっぷりの熱湯でゆで上げためんは、手早くざるに上げて湯を切り、すぐに水に落として下さい。めん類をゆでると表面の粘着力が増すばかりでなく、ゆで汁にめんが溶け出て、にごりの原因になるからです。また、ゆでたあと、長く余熱が残っていると、中心まで水を余分に吸い込み、コシの弱い、いわゆるのびた状態になってしまいます。ゆでたらすぐにざるに取り上げて、冷水でよく洗います。こうして、表面のでんぷんのねばりを取り去ると同時に、めんを冷やすと、べとつかないしっかりしたゆでめんにすなるのです。しかし、いつまでも洗っていると、冷水を吸い込んでしまうので、手早く洗うように注意して下さい。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 寒天やゼラチンは正確に量る
解説
寄せ物やお菓子では、よく寒天やゼラチンを使います。これらは、量を正確に量らないといけません。煮物をするとき、プロは調味料の分量を量ることはしません。だしに対して調味料の入る分量が違うので、その度に量るわけにはいかないし、計量したからといってちょうどよい味がつくことはないからです。たよりは自分の味覚です。しかし彼らも、寒天やゼラチンを使うときは、きちっと量ります。だし何ccに対してゼラチン何枚、寒天何gというふうに分量を出します。こうすれば、固まらなかったり、固すぎたりということはありません。こういうところまで勘にたよると、思わぬ失敗をします。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 干し椎茸は洗ってから戻す
解説
干し椎茸は、独特のうま味と香りがあっておいしいものです。煮物の脇役、すしの具、また和え物の具としても使える重宝な素材です。生椎茸を干してあるので、当然、戻さないと料理できません。水に半日つけておけば戻りますが、このとき、しっかり洗ってからつけるようにして下さい。かさの裏側に、ゴミやほこりをよくかんでいます。余分なものを取り除くために、よく洗って下さい。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 干し椎茸を戻す水はひたひた
解説
干し椎茸には、昆布のグルタミン酸やかつお節のイノシン酸のようなうま味成分はありませんが、代わりに、他の食品にはないグアニル酸が多量に含まれています。この物質は、それ自体のうま味は強くありませんが、グルタミン酸やイノシン酸と一緒になると、ぐんとうま味が増します。干し椎茸を水で戻す場合、たっぷりの水につけると、このグアニル酸がどんどん流れ出てしまいます。つける水は、ひたひたで充分です。短時間で戻そうと思わないで下さい。急いで戻そうとして、熱湯につけるなんていうのは、もってのほかです。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 干し椎茸の戻し汁は立派な調味料
解説
前日からつけておいた干し椎茸の戻し汁は、椎茸の色もかなり出ていて、香りも充分あります。この中に干し椎茸のうま味が出ているわけです。この戻し汁は、絶対に捨てないで下さい。椎茸を煮るときに使うのです。かつおのだしと半々くらいで使って下さい。使わないものと比べると、とてもおいしくなります。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ まっ白なかんぴょうは漂白のしすぎ
解説
かんぴょうは、夕顔の果肉を薄く削り、干したものです。すしの具としては欠かせません。さて、このかんぴょうですが、まっ白なものは、漂白剤の使いすぎです。もとは植物なので、当然アクもあります。多少色がついている方が自然です。まっ白なものは、薬品のために固くなっていて臭いもあります。選ぶときは、全体が乳白色で、肉厚で、幅の広いもの、また、甘くてよい香りのするものを。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ かんぴょうは戻して塩もみ
解説
かんぴょうの下処理は、水につけ、少し戻してから塩をあててもみます。塩もみをすると、干したもの特有の臭いが抜けます。また、ゆでたとき、煮くずれしにくくなります。充分塩もみして、そのままたっぷりの熱湯に入れて下さい。落とし蓋をしてゆでます。一番身の厚い部分に爪がたつまでゆで、そのあと、充分水にさらして下さい。戻し方が不十分だと、固くて食べられません。だしで煮ているときは、調味料が入っていくので、もう柔らかくなりません。前もって、しっかり戻しておかないとだめですよ。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ ごまは時間をかけて弱火で煎る
解説
ごまは弱火でじっくりと煎らなくてはいけません。とても小さな粒ですが、中心まで火が通るには、かなり時間がかかります。外側ばっかり色がついても、中心が生だと、すりごまにしたら生臭くなります。できれば、煎るときの鍋も金属製ではなく、ほうらく鍋のような土ものの鍋がよいです。土ものは、熱そのもの伝わりが、とてもゆるやかなので、ごまを煎るのに適しています。家庭には、こういった鍋はないかもしれませんが、とにかく弱火でじっくりと、きつね色になるまで煎って下さい。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 高野豆腐は80℃で戻す
解説
高野豆腐は、別名凍り豆腐といいます。豆腐を凍らせ、乾燥させて作ります。昔、和歌山の高野山で作られたのが始まりのようです。さて、使うには戻さなくてはいけません。戻し方一つで、おいしくもまずくもなりますから、要注意です。まず、高野豆腐をボールに入れます。ここに約80℃の湯をたっぷり注いで下さい。沸騰している湯を入れてはいけません。高野豆腐の表面ばかりがどんどん戻り、中心がよい状態に戻る頃には、表面はくずれてしまうからです。沸騰している湯に少し差し水をして、温度を下げてから注いで下さい。高野豆腐はスポンジ状なので、液体には浮かびます。落とし蓋をして下さい。途中で上下を返して、また数分おいて下さい。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 戻した高野豆腐は水の中で押したり離したり
解説
充分戻した高野豆腐は、そのまま水道の蛇口の下に持ってきて、静かに水を流し、充分に冷ましましょう。まわりが冷めても、高野豆腐の中には、熱い湯が含まれているので注意して下さい。冷めたら、両手で高野豆腐をはさみ、水の中で、押えたり離したりをくり返します。最初は、中から白くにごった水が出てきます。このにごり水が、出なくなるまでくり返し押し絞って下さい。形をくずさないように、ていねいに。このにごりは、臭みの原因となるので、充分、絞り出して下さい。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 柳むしかれいは切り込みを入れて焼く
解説
柳むしかれいは、体長25pくらいで薄く、やや細長い形をしています。北海道から南の日本各地で取れます。高級魚で、特に、卵を持っているものは、子持ちと呼ばれて賞味されます。鮮魚で出回ることはなく、多くは干物にされます。俗にササガレイの名で親しまれている高級干物です。白身魚で、生干しの状態なので、焼きすぎると身がパサパサとしておいしくありません。早く火が通るように、切り込みを入れて手早く焼いて下さい。

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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
こつ 油揚げの油は熱湯をかけただけではぬけない
解説
油揚げは豆腐を薄く切り、油でじっくり揚げたものです。いろいろな料理に使えて便利な素材です。でも、どんな料理に使う場合でも、必ず油ぬきをしなくてはいけません。油揚げの臭いを取るために、油ぬきをするのです。熱湯を上からザッとかけるだけでは、油はぬけません。熱湯の中に入れてゆでて下さい。軽いものなので浮いてきます。途中でひっくり返して下さい。そして布巾に取り、よく水分をふき取って下さい。





















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