日本料理



 

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吸い物、汁物
こつ 吸い物は、仕上げに盃一杯の酒で決める
解説
吸い物を仕上げるとき、最後に盃一杯の酒を加えて下さい。このわずかな酒が、奥行のある上品な味に変えてくれます。注意してほしいのは、酒を加えたら、すぐに椀にはることです。そうしないと、酒の甘味が表に出てしまい、おいしくなくなってしまいます。酒は上手に使うと、調味料としてすぐれた力を発揮します。

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吸い物、汁物
こつ 粕汁用の酒粕は酒に浸して戻す
解説
市販されている酒粕は、板粕の状態でとても固く、ちぎってだしの中に入れたとしても、なかなか溶けてくれません。だから、あらかじめ柔らかくして加えるようにしましょう。酒粕を戻すときは、酒に一晩つけて下さい。そして、できたらこして味噌のような状態にします。こうしてだしの中に入れると、すぐに溶けるのです。少しめんどうかもしれませんが、手間をかけたほうがおいしくできます。

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吸い物、汁物
こつ 土瓶蒸しの味つけは、より薄く
解説
松茸の土瓶蒸しといえば、秋を代表する汁物ですね。すだちを絞って頂くおいしさには、しみじみと日本料理のすばらしさを感じます。さて、その味つけですが、土瓶蒸しの場合は、椀に盛るときと違って、いくぶん薄めにつけるのがポイントです。なぜかというと、中に入れる具は、松茸にしろ海老にしろ生の状態です。だから、火が通るまで少し煮ないといけません。この間に、味もやや詰まってきます。そのことを考えて薄めにつけるのです。そして、土瓶蒸しといっても、蒸さずに直火にかけて作るのが、短時間ででき、おいしいでしょう。また、鶏肉を入れると味がグッと引き立ちます。

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吸い物、汁物
こつ みぞれ汁の大根おろしは水で洗ってから
解説
みぞれ汁は、吸地に大根や蕪のおろしたものを加えた汁物で、椀の中がみぞれが降っているような感じになるのでこの名があります。吸地に、ほのかなおろしの甘味と風味が加わり、寒い時期には喜ばれる汁物です。おいしく作るポイントは、大根や蕪をすりおろしたら、一度水で洗うことです。こうすることで臭みを抜くことができます。すりおろした大根をさらしの布巾に包み、軽く水の中でもみ、水気を絞ります。また、みぞれ汁の吸地には、おろした大根や蕪を入れる前に、片栗粉か葛粉を入れて濃度をつけておきましょう。

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吸い物、汁物
こつ けんちん汁の豆腐は思いっきり水切り
解説
けんちん汁とは、豆腐と野菜を油で炒め、この中にだしを入れて味つけした汁物です。作るときに大事なのは、あらかじめ豆腐の水気を充分に切っておくことです。そうしないと、豆腐からいくらでも水気が出て、味が薄くなってしまいます。豆腐の水切りの仕方は、豆腐を布巾にはさみ、まな板の上においておもしをおいて下さい。急な場合は、豆腐を熱湯に落として火を通し、ざるに上げててもけっこうです。炒める油は、香りの強いごま油でもいいですよ。お好みでどうぞ。

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吸い物、汁物
こつ 味噌汁の豆腐は、1cm角が適当
解説
豆腐を味噌汁に入れる場合、あまり小さいと箸ではさみにくく食べにくいものです。逆に、大きすぎると火が通りにくく、煮えばなをすぎても火にかけていなければいけないので、吸地は辛くなり、香りも消えていきます。一番よい大きさは、1cm角くらいでしょう。この程度の大きさならば、箸でもはさみやすいし、中心まですぐに火が通ります。豆腐を切るときは、まな板を使うのではなく手のひらの上で切って下さい。その方が手早くきれいに切れるでしょう。くれぐれも、手を切らないように気をつけて。

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吸い物、汁物
こつ 吸い物に使うだし汁は必ず取りたて
解説
吸い物というのは、料理屋が特に気を使う料理です。吸い物の味で、店の格や料理人の腕が分かるといってもいいすぎではありません。吸い物というのはいろんなタイプがありますが、普通、少量の塩と薄口醤油で味けしたものをいいます。正味、だし汁そのものの味が大切なわけです。ですから、だしの引きたての、まだ、かつお節の風味の充分あるものがよいのです。だし汁が悪いと、どんなに腕のよい料理人が作っても、おいしい料理はできません。特に吸い物は、だしにこだわります。家庭でも、このことを頭において料理して下さい。

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吸い物、汁物
こつ みそ汁は、味噌こしをしてから盛る
解説
だし汁に味噌を溶き入れたあと、一度味噌こしをすると味わいが全然違います。それは、大豆のかすなどが取り除かれ、吸地がなめらかになるからです。口当たりもよくなるので、おいしさにつながるわけです。実行してみて下さい。味噌こしがなければ、ぜひ一つ買って下さい。これも、おいしい料理を作るための努力だと思って。

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吸い物、汁物
こつ 粕汁は仕上げに少量の味噌を
解説
寒いときの粕汁は、体が温まってとてもおいしいものです。お酒の苦手な人でも、粕汁は大丈夫という声もよく聞きます。ぶりのかす汁などは、絶品ですね。さてその粕汁ですが、仕上げに、塩と薄口醤油を入れるのも一つの方法ですが、ぜひ、少量の味噌も入れて下さい。コクが出て、これまた一段とおいしくなることうけ合いです。香りもぐんと引き立ちます。

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吸い物、汁物
こつ つきなみですが味噌は煮えばな
解説
味噌は何といってもその香りが命です。しかし、ぐらぐらと沸騰させることで、香りがどんどん消えていきます。だから、まさに沸騰するという瞬間に椀に注いで下さい。この瞬間のことを「煮えばな」といいます。これを逃したら、最高の味噌の香りを味わうことはできません。煮えばなは、鍋の前から離れず、緊張して待ちましょう。大切な瞬間をうまくつかむために。ただし、有名な京都の白味噌の場合は、ほんの数秒煮立てて下さい。これは、味噌の生臭みを取るためです。

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吸い物、汁物
こつ 合わせ味噌は、夏期は赤、冬期は白が中心
解説
合わせ味噌というのは、赤味噌と白味噌を合わせて作る味噌仕立てのことをいいます。味噌を合わせることによって、一種類のときとは違ったおいしさが味わえます。しかし、合わせればいいというものではありません。目安となる割合があります。暑い夏場は汗をかくので、塩分がきいた方がおいしく感じます。よって、赤味噌を中心に使います。逆に、冬場は、どちらかというと甘めのこってりした味の方がおいしく感じます。だから、白味噌を中心にします。このように、体の欲求にあわせて料理の味も調節します。



 

 

















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