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総評
内田 「赤ワインと伊勢海老の炒めものがあったというのが意外でしたね」
山田 「海老の卵なんか、本来は赤ワインとぶつかりそうなものでも、火を通せば必ずしもそうではなくて、結構、響き合うのが面白かったですね。魚介類と赤ワインというのは、もっと積極的に試してみる価値がありそうです」
内田 「海老っていうのは伊勢海老にしても、車海老にしても、甘味っていうのが主成分になると思うんですが、その調理法と副材料で味が微妙に変化するというのがよく分かりました。それによって合うワインも変わってくる」
守木 「ひとくちに海老にはどれそれのワインと単純に決められない理由がわかります。海老の種類、調理方法、たとえば、殻つきなのか、すり身にしているのか、などとそこまで考えないと、これだというワインの出会いは見つけにくいですね」
藤井 「頭で考えた相性にこだわりすぎると、ワインの選択の幅がせばまって、発見の楽しみがなくなってしまうかも知れません」
山田 「一番、重要なのは、まったく合わないワインがそれほどなかったということ。もちろん素晴らしくマッチしたものもあったんですが、それはいろいろ試してみた上での結果ですね。非常に合ったものと、そこそこ合ったものの間にどんな差があったのかという法則性は非常に難しくて、見つけることができませんでした。でもそれはきっとすごく微妙な味付けの差であったり、ワインのちょっとした温度差であったりするんでしょうね。ひょっとして畑がちょっと違うだけでも、相性が合わなかったかもしれない。理屈にとらわれずにいろいろ試してみると、意外なところでステキな相性が見つかるっていうのが、今回の一番の収穫です」
内田 「料理法と副材料が一番重要。海老料理にはこのワインと限定するのは、一概には言えませんね」
山田 「今回の料理では、共通で合ったワインが1本もありませんでした。そしてまったく合わなかったワインもそれほどなかった。これは勇気づけられる結果です」
内田 「逆に言うと、ワインはすべてにおいてイケルって言ってもいいかもしれませんね」
守木 「これからも実際に食べて、飲んで、楽しみながら、ワイン選びの可能性をさぐっていきたいとおもいます。次回のテーマは「鯛」を予定しております」

サントリー 山田健
内田勝
辻調理師専門学校 守木晃

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