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学び

料理・お菓子の「なぜ?」を解き明かす

理論の授業に潜入!

高級食材「フカヒレ」に、じかに触れ
調理法を自分の目で確かめるチャンス。

中国料理の高級食材として名高いフカヒレ。今回の授業では、フカヒレを乾物の状態から戻す方法や、フカヒレを使ったさまざまな料理について、先生の実演を見ながら学習。高価な食材だけに、まるごとのフカヒレを実際に手に取り、姿煮の調理方法などをじかに見て学べるというのは、学生たちにとって、またとないチャンスです。

科目名
調理技術理論
テーマ
高級乾物フカヒレについて 戻し方と調理法
石川智之先生
石川智之先生
フカヒレの加工についての講義では、スライドを使い、サメが漁港に水揚げされ、ヒレを取って天日に干し、加工業者が加工を行う工程なども紹介。また、実演しながら常に学生たちに「こんな時、君たちならどうする?」と問いかけ、「料理はまず出来上がりをイメージし、そこから逆算して一つ一つのプロセスを考えることが大切」といった心得も説いてくれました。
授業内容
フカヒレの種類
姿煮の多くは尾ビレ。
ジンベエザメは大富豪が好む?!
姿煮の多くは尾ビレフカヒレの原料として、日本で最も漁獲量が多いのがヨシキリザメ。
他にはモウカザメがあり、こちらのフカヒレはねっとりとしたゼラチン質が特徴です。姿煮として食されるのは、主にこれらのサメの尾ビレで、それも下側だけ。胸ビレや腹ビレなどは、スープや炒め物などに使われます。香港では海虎翅(イタチザメ)が珍重され、尾ビレよりも胸ビレの太い筋糸が高級なイメージ。ジンベエザメやウバザメは、かなり稀少で、超高級品とされています。
フカヒレの種類
加工方法

加工方法

乾物の状態で仕入れるほか、
缶詰や冷凍のものを扱うことも。
サメから取られたフカヒレを血抜きして、皮付きのままで乾燥させたものが「原ビレ」。皮と骨を取ってから乾燥させたものは「スムキ」と呼びます。中国料理店では、この原ビレやスムキの状態で仕入れる以外に、乾燥したフカヒレを戻してから冷凍や缶詰に加工されたものを使用するケースも。ヒレの原型を留めたまま加工されたものは「排翅(パイチー)」、バラバラになったものは「散翅(サンチー)」と呼び、小さくて身がほぐれやすい胸ビレなどが散翅の主原料となります。
加工法とその名称
名称 加工内容
原ビレ(日本) 尾を切り、血抜きして、
皮付きのまま乾燥したもの
生貨(香港)
スムキ(日本) 尾ビレ、背ビレ、胸ビレなどを血抜きした後、表皮、骨を取ったもの
熟貨(香港)
排翅 尾ビレ、背ビレの原型を留めたもの
散翅 尾ビレ、背ビレ、胸ビレの原型を留めていないバラバラのもの
生翅(広東)
冷凍 尾ビレ、背ビレなどを固めに戻し、冷凍したもの
缶詰 尾ビレ、背ビレなどを戻して、缶詰に加工したもの
レトルトパウチ 尾ビレ、背ビレを戻して、酒、葱、生姜を加え、レトルト釜で加圧加熱殺菌したもの
下処理

下処理

まるごとの「原ビレ」を戻す!
お湯は熱過ぎず、ぬる過ぎず。
まず骨がある上側(下写真右側)のヒレを先端から2/3ほど切り落として2~3日水につけ置き、ヒレの周囲のけばだった部分を5mmほどカットします。ここを切り落とさないと、戻した時に皮が残るので注意。さらに1日水につけ、50℃のお湯につけて、ナイフで皮をこそげとっていきます。この時、お湯の温度が低いと皮がはがれにくく、温度が高すぎると筋糸が崩れてしまうので、温度調整はしっかりと。状態がいいと、皮は手でも剥けます。下処理
ユィチーシュエホワシヤングゥタン
~フカヒレ入りなめ茸と卵白のスープ

ユィチーシュエホワシヤングゥタン~フカヒレ入りなめ茸と卵白のスープ

主役はあくまでもフカヒレ。
野菜は主張しすぎない大きさに。
スープには、フカヒレの散翅を使用。一緒に入れるセロリやたけのこは、フカヒレの筋糸より細く切ります。
「フカヒレのスープ」を求めるお客様は、やはりフカヒレの存在感を一番に味わいたいのですから。そして具材に一体感が出るようにスープにとろみをつけ、さらに卵白を加えてフワッと仕上げます。
クェイホワチャオションチー
~フカヒレと卵の炒め物

クェイホワチャオションチー~フカヒレと卵の炒め物

「桂花」は黄色い料理。
白ければ「芙蓉」。
料理名にある「桂花」はキンモクセイの花のことで、中国料理では卵黄を使って黄色く仕上げた料理にこの名がつきます。卵白を用いて白く仕上げた料理には、「芙蓉」の名が。卵黄の鮮やかな色を活かしたこの炒め物では、ワタリガニも使用。フカヒレと蟹で、贅沢感を演出します。
「卵1個に油大さじ1」が
フワフワに仕上げる鉄則。
炒飯の時なども同じで、卵を炒めるのに多めの油を使うのは中国料理の基本。そしてこの炒め物では、卵にしっかりと火を通し、「フワッと、パラッと」香りよく仕上げます。お客様にお出しする時は、油をやわらげる赤酢を添えて。
ホンシャオパイチー
~フカヒレの醤油煮込み

ホンシャオパイチー~フカヒレの醤油煮込み

フカヒレには味がない?!
ソースでしっかりと「乗せる」。
フカヒレの姿煮は中国料理店の高級メニューの定番。とは言え、フカヒレそのものは強い味を持った食材ではありません。味がしみこむ食材でもないため、ソースでしっかりと「味を乗せる」イメージで仕上げます。そして何より、フカヒレの価値はその食感にあると言っていいでしょう。どれくらいの固さで食べてもらいたいのか、下処理の段階からよく考えて。そしてソースの味、量、煮詰め加減…。料理人それぞれの個性がそこに反映され、それぞれの味を求めるお客様がいます。基本の味を覚えたら「自分の味」を、追究しましょう。
どれくらい炒めるのか?
ポイントは「メイラード反応」。
葱、生姜、エシャロット、ニンニクを一緒に炒めて引き出された強い香りが、ソースにインパクトを与えます。ただ、レシピには「炒める」と書かれているだけで、どの程度炒めればいいのかの判断が難しいところです。ベストは、素材が「メイラード反応」を起こすまで。この反応が起きると、炒めた素材がきつね色になって甘みが出て、とても良い香りが立ちます。自分の目と、耳と、鼻で、この瞬間を感じ取れるようになりましょう。
フカヒレの姿煮に
チンゲンサイが添えられるワケ。
盛り付けの時は、フカヒレを皿に載せてからソースにとろみをつけ、フカヒレにかけます。フカヒレが崩れないように注意しましょう。チンゲンサイのシャキシャキした食感とみずみずしさがフカヒレとソースの濃厚な味を引き立てます。そして、鮮やかな緑色で料理の見栄えがグッと良くなります。