|
■ポール・ボキューズの『ルエスト』 ●ポール・ボキューズ氏といえば、3ツ星を30年間も維持している、言わずと知れたフランス料理界の巨匠。しかし、彼がその3ツ星レストラン以外にも、自分のホームグラウンドであるリヨン市内に、個性的なブラスリー(主にビールなどの飲料や軽い料理を出すカフェ・レストラン)を展開していることをご存じだろうか? これまでに手掛けた3つのブラスリー『LE NORD ル・ノール』 『LE SUD ル・シュッド』『L'EST レスト』は、日本語にするとそれぞれ「北」「南」「東」の意。どの店も、 常に客を楽しませることを忘れないポール・ボキューズ氏のエスプリに溢れていて、とてもユニーク。 最初にオープンした『ル・ノール』は、クラシックで代表的な料理を中心に提供する、少しブルジョワ的な雰囲気の漂うブラスリーだ。続いてオープンした『ル・シュッド』は「太陽の料理」をテーマに地中海料理が楽しめる、明るくとても開放的な印象のお店。そして一番新しい『レスト』は、旧駅舎を改装した広いホールの客席の上をミニチュアの列車が電動で走り回るという楽しい雰囲気のお店となった。家族連れの客も多く、テーマは「旅の料理」。ボキューズ氏自身が旅をして出会った料理を彼の解釈で再現したというメニューには、東欧の料理からチャーハンの名前まであるから驚きだ。 そして、北、南、東、とくれば、その次はもちろん「西」。このたび、ついにボキューズ氏のシリーズ4店舗目、『L'OUEST ルエスト』のオープンがほぼ決定したようだ。以下、『ロテルリー』紙に掲載された記事をご紹介。
ポール・ボキューズ氏は留まるところを知らない。現在、彼が彼のチームとともに新たに取り組んでいるプロジェクトは、『ルエスト』のオープン。場所はリヨン9区の工業地区だ。 基本的に、今回のプロジェクトも中心人物はジャン・フルーリ氏。“パトロン”であるボキューズ氏の右腕だ。3ツ星レストラン『ポール・ボキューズ』の支配人を務めるフルーリ氏だが、ボキューズ氏の展開するブラスリーの共同経営者でもあり、店には毎日足を運んでいる。今回、この土地を探し出してボキューズ氏の承諾を得、土地の所有者であるリヨン市役所との交渉の席に参加したのも、彼である。 『ルエスト』のオープンが予定されている土地は、ソーヌ河に沿った、様々な分野の大手企業が隣接する工業地区だが、環境保護対策として緑が多く取り入れられている。その土地が、今度はポール・ボキューズ氏のさらなる発展の地となるのだ。 調理場は400名を収容できるホールに面したオープンキッチンで、ソーヌ河の景色を楽しめる900平方メートルのテラスも整備される。また、車400台を収容できる半地下駐車場も建設される予定だ。この地にホテルを建設するという話もあったようだが、それは自分の仕事ではないと判断したボキューズ氏により却下された。 この地区のほとんどの大手企業同様、総額1800万〜2000万フランという多額の投資によってその扉を開く『ルエスト』のオープンは2001年6月末。完成前から、多くの客を惹きつけることだろう。
|