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きつねうどん

| 作り方 |



「大阪の味を代表する物は何か」と問われたとき、たぶん大方の人は「たこ焼き」「お好み焼き」「きつねうどん」の3つの名をあげられるでしょう.まっ、私自身としては、大阪の味イコールいわばファーストフードのような食べ物の名があげられることについては少々の不満もありますが、この際私の気持ちは無視しましょう.本当にこの3つの食べ物が大阪の味を代表するかどうかは疑問ですが、きつねうどんが何故そのように思われるのか、その辺を考えてみたいと思います.私は、いろいろ考えるに二つの理由があると思っています.一つは、その発生からともう一つは、味の点からです.

 では、発生からみましょう.うどんといえばきつねうどんを指すほどきつねうどんは今や一番ポピュラなーなうどんです.日本全国どこへいってもあります.食べたことのない人などいないでしょう.地域によっては、信田うどんという名で呼んでいるところもあります.

 そのきつねうどんが生まれたのは、ここ大阪なんです.大阪の南船場に「松葉屋」という店があります.その店の初代の御主人が、はじめられたんです.いきさつはこうです.初代の主人要太郎氏が、大阪の松屋町筋にある「たこ竹」という店に奉公していました.この「たこ竹」というお店は現在もあります.当時は、うどんやとすしやの両方をやっておられましたが、現在は寿司屋として握り寿司もおいていますが「大阪寿司」の店として頑張っておられます.

私は、この店の穴子の棒寿司など大好きです.

それで、「たこ竹」がうどん屋を廃業したときに要太郎氏は独立されました.そのときに「たこ竹」の主人から「新しいうどんを考えたらどうや」と勧められて考え出されたのが、このきつねうどんなんです.明治の時代の話ですよ.

何できつねうどんになったかというと寿司にも稲荷寿司といって「揚げ」を使った物があるんだからうどんにもということで、当初はかけうどんに「揚げ」と「魚の擂り身の天ぷら」を竹の蒸し籠に入れて添えてだしていたそうです.

 ところが、お客さんが折角添えて出してもうどんの中に入れて食べられるので最初からうどんの中に「揚げ」を入れて出すようになったということです.ちなみに最初は「揚げ」は2枚いれていたそうです.この2枚には意味があって、お稲荷さんの一対のおきつねさんにあわせてとのことで一対ということは、「陰陽」と「あ うん」をあらわしているそうですが、「夫婦円満」と意味もこめられているそうです.きつねうどんを食べて夫婦円満にということでしょうか.そう考えるときつねうどんも奥の深い食べ物ということになるでしょうか.とにかく、このようなことできつねうどんが世の中に誕生しました.

 二つ目に味の点ですけれど日本全国にあるきつねうどんが、只その発生から大阪の味といわれるのではないと思います.やはり、食べて旨くなければ話にならないでしょう. 大阪のきつねうどんが、他の地域に比べて勝っている点は何か.それは、「出し汁」の味ではないかとおもいます.大阪の料理に関していえることですが、「出し汁」に対して大変神経を使います.よく「関西は薄味」といわれますが、それは出し汁がきいているから薄味ということもいえるのです.例をあげましょう.一般に家庭で作られる吸い物は、醤油を多めにいれられますね.ご飯のおかずということもあるのでしょうが、結局出し汁のせいなんです.出し汁がおいしくないと醤油の香りと味でカバーしないとたべられないんですね.上等の昆布と鰹節で引いた出し汁は、出し汁そのものがすぐれていますから少しの塩と醤油で本当においしい吸い物ができるんです.きつねうどんにしても上等の昆布をたっぷり使い鰹節や鯖節などの数種類の削り節を使ってこくと風味出し汁をひいているんです.味付けは、薄口醤油と塩です.基本的に全部飲ませてしまうような味を付けるのが大阪流だと思います.勿論、麺も肝心ですが、私は出し汁8割、麺2割だとおもいますが、いかがでしょうか.この二つの理由によりきつねうどんが、大阪の味といわれる所以だと思います



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