No.13 うど

 「独活(うど)」。かつて読めなくて困ったものです。「うどの大木」のうど。一般にはあまり馴染みのないこの野菜、日本料理の世界ではかなりメジャーな存在です。

 辻調グループ校「エコールキュリネール国立」のある国立市の隣町・立川市は、このうどの一大生産地です。東京都の農産物の代表格で、生産技術、生産量共に日本全国に誇れるものです。今回はうどについてです。

 上の写真はうどの栽培風景です。真っ暗な中にロウソクの明かりで白いうどが浮かび上がっています。そう、うどは暗闇で育っているのです。ここは地下3-4mの穴の中、温度は約20℃、湿度90%以上。この農家ではうどの世話をロウソクの明かりで行うそうで、そのせいか余計に神秘的な感じを受けます。「軟白軟化うど」というのだそうですが、極端なことを言えば巨大もやしですね。全長は80cm位にもなります。

 この他に、もっと短く上部が緑色がかった「山うど」と呼ばれるものがあります。あたかも自然に育っている山菜のように思われますが、市場で売られているものは栽培されたものがほとんどです。

 さて少し話しを戻して、「軟白軟化うど」の話です。

 上の写真は洞窟の入り口、回りは畑で、まさかこの下にうどがニョキニョキなどとは誰も想像はしないでしょう。この小さな穴から梯子をつたって下に降ります。ちょっと恐怖感を感じながら怖々降りていくと、前にも書いた通り暖かく湿った空気が体を包みます。上を見上げると青い空。回りを見渡すと、横に掘られたうどたちの部屋が4つ、となる訳です。

 これだけを書くと、何か穴を掘ってその中に種でも蒔くと、うどが生えてくるように思われるかもしれませんが、実はこの前に一手間かかっているのです。この段階は2年目で、その前に根株を作る作業があります。(わかりやすく言えば、球根を作るようなもの)

 その作業は、他の植物と同様に地上で行われます。うどは株分けで増やすことが多いので、まずその種株を植え付けます。その種株からは緑の葉が繁り、大陽の光と土からの養分で地下の根部が成長していきます。秋になると十分に成長した根を堀り上げ、根株とします。

 この根株を地下に植えて約1ヶ月で収穫です。根株は冷蔵庫に保存して順次植え付けていきます。こんなことで、ほぼ1年中出回っているのです。

 さてこのうど、特徴はやはりシャキッとした歯ごたえと、独特の香りということになります。どうしても脇役になることが多いのですが、歯ごたえを楽しむ他の野菜の代わりに取り入れてみるのも面白いかもしれません。

 立川では毎年品評会が開かれ、その出来を競っています。基準は「まっすぐで白いもの」なのだそうです。