「初夏といえば鮎!今日の実習は鮎の塩焼き!」日本料理だけを学ぶ辻調! 日本料理クリエイティブ経営学科のブログ2
今日は日本料理クリエイティブ経営学科1年生の個人実習「鮎の塩焼き」を紹介します!
鮎の塩焼きは日本料理の初夏を代表する魚料理です。
丸ごと串を打ち豪快に焼く料理です!そのため頭、内臓、骨、すべて食べるのです。
上手く焼かないと頭、骨は固くて食べられませんよ!

これが鮎の塩焼きです。こんがりと美味しそうではないか

鮮度抜群の鮎は氷詰めで入荷!肌がツヤツヤって感じですね。

ほとんどの学生は生の鮎を見るのが初めてです!「これ本当に頭も食べられるの?」

「鮎ってスイカの香リがするって聞いたことあるけどホントやスイカの匂いや。」
鮎は渓流育ちの為、エサは藻を食べます!
そのため、スイカ・キュウリなど瓜科に似た香りがするのですよ。

担当は音部先生、全員集合!「まずは鮎の串打ちです!ポイントを説明します!」
イラストに注目!
鮎の口から串を刺して、ここに「追いぼし」と言われる黄色の斑点がありますが、
ここから串がでてくるようにします!

ここが「追いぼし」黄色の斑点ですね!
鮎がクネクネと踊るように泳ぐ姿をイメージして「踊り串」。
または、一本の串を打つことから「一本串」とも言います。

さっそく学生全員が串打ちをします。
「まずは黄色の斑点は?あった!」「鮎が踊っているように曲げるわけだな。」「これであっているのかな?」

そうです!こんな感じでOKいいね~。

初めての串打ちにしては、みなさん良くできていますよ!


鮎は器に盛り付けて表側になる身に串が見えないように打つのが正解。
串を裏側から打つ!
このときは串が見えていますが、くるりと表側に返すと串が見えませんね!
これだと客から見たとき串の穴が見えずキレイ
となるわけです。

おや?これなんか変じゃないか!
これはいけませんね。盛り付けて表側になる身に串が丸見えです××× 
やり直そう!

ひとり鮎を2尾、串打ちしました。
しかし、このままでは串が1本ずつの為、
焼いているとき鮎を上下ひっくり返せません!


そこで竹串1本をご覧の通り添えることで2本の串が合体します。
オッ!これなら焼いている途中、上下ひっくり返せるぞ


串打ち完了!
しばらくすると串打ちした個所から血が出てくるので水で洗って水分をしっかりふき取ります!


全員集合! 
鮎にふり塩をしてすぐに焼きます! 
鮎から約30㎝上から均一に塩を振ります! 
振りすぎ注意ね!この程度の塩が理想です。

よ~し、音部先生を見習ってふり塩しま~す!「30㎝上からやで」


串打ちが終わればすぐに焼きます!
まずは器に盛り付けて表側になる方からしっかり焼きます。
「自分の鮎は責任もって焼いてね!」

焼き始めて約7分が経過!
写真の通りこんがりと焼き色が付けばひっくり返し裏側を焼きますよ!
鮎の表面の白い点々は塩です、振りすぎると塩辛くなるのがわかるよね。 *要注意

 
 
ではここで鮎の頭を柔らかく焼き上げるコツを教えますね!
これは業務用の魚焼き機です。下側が赤くなっていますがこれが熱源です。
その上に3本の鉄の棒があるの分かるかな?中央の1本は高い所にセットしているの分かる?
高い所と低い所に串打ちした鮎を乗せて焼くと頭側が手前となり低い位置で焼くこととなります!
鮎が焼けてくると含まれている脂分が尾の方から頭に向かって集まってくるのです!
そして頭部分を鮎の脂でグジュグジュと揚げる状態となり、
頭がカリッと素揚げじょうたいとなり、食べやすくなるのです。 
ここは動画で観てみようか!

裏側も約7分焼き、こんな感じに仕上がってきました!焼きたてが絶対

では各自で焼いた鮎の塩焼きの完成度をチエックします!
これは焼き過ぎやろ!黒いで!
次回は一歩手前で引き上げよう

こちらは焼き加減は合格!
美味しそうですが尾部分が焼け落ちています
これでは商品価値が半減ですよ。焼く工程でもっと注意が必要。

こちらは焼き加減も良く、尾部分もキレイな姿で残っていますがふり塩が多いですね。
特に尾部分に塩が多く付いています!
客は鮎を丸ごと食べるため、尾部分をガブリと食べたとき塩辛く感じます
 
次回は塩を控えよう。それで解決!

最後にこちらの鮎はいいですね!
焼き加減、塩の振り加減、尾部分もキレイに残っています。合格◎◎◎


器に盛り付けたら熱い内に食べよう!
鮎を上から見るとこんな感じです!
鮎が渓流を泳いでいるように見えませんか?

鮎の食べ方は頭からガブリと食べます!
内臓はほろ苦さがありこれも美味!

アレっ!歯に小骨が引っかかった、そんなこともあります(笑)
だけど鮎、美味しいです

先生
「鮎は塩焼き以外で美味しい食べ方はありますか?」
油で揚げても美味しいよ!その他、お刺身や、すしネタにすることもありますよ。
「初めて鮎を食べましたがこんなに美味しいとは思いませんでした!」
まだまだこれから夏が旬の食材を使った実習が続きますよ!お楽しみに。
本日はお疲れ様でした。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川健 
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。
          

