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『西洋骨董洋菓子店』よしながふみ


よしながさんとピュイ・ダムールを食べる








●作者紹介

よしながふみ

1971年生まれ。東京都出身。天秤座のB型。1994年「花音」10月号にて「月とサンダル」でデビュー。「3度のご飯よりマンガ」「趣味はマンガ」と言い切るほどの漫画好き。詳しくはインタビューをどうぞ!


●よしながふみさんコミックスリスト

「西洋骨董洋菓子店」1〜3
「こどもの体温」
「彼は花園で夢を見る」
(新書館 ウイングスコミックス)

「新書館」コミック&ノヴェル

「1限目はやる気の民法」
(ビブロス BEX BOYコミックス)

「本当に、やさしい。」
「愛とは夜に気付くもの」
「ジェラールとジャック」全2巻
(ビブロス スーパーBEX BOYコミックス)

「ソルフェージュ」
「月とサンダル」全2巻
(芳文社 花音コミックス)





コミックス第3巻
(新書館 /ウイングス/よしながふみ)


(新書館 /ウイングス/よしながふみ)





●作品紹介

『西洋骨董洋菓子店』

住宅街、深夜まで灯りをともす洋菓子店『アンティーク』。本物の西洋骨董に囲まれた店内で、甘美な洋菓子の数々が客が来るのを待っている。無精髭のオーナー、橘。天才パティシエ、小野。パティシエ見習い、神田。橘は甘いものが苦手。小野は魔性のゲイ。神田は元ボクサーで、大のケーキ好き。と、かなり強烈なキャラクター、そして美貌の3人。また、店を訪れる客たちも、ひとくせもふたくせもありそうな者ばかり。オーナーである橘が「実はこどもの頃に誘拐されたことがあった」という謎を紐解きつつ、物語りはつづいてゆく。(新書館 月刊ウイングスにて連載中)

●テレビドラマ紹介

Antique〜西洋骨董洋菓子店〜』

(フジテレビ系 月曜午後9:00〜9:54)

オーナー橘に椎名桔平、天才パティシエ小野に、藤木直人、そして、パティシエ見習い神田エイジに、滝沢秀明。「さすが!月9」と言わさんばかりの豪華なキャスティング。さらにスタッフは演出に本広克行(踊る大捜査線)、脚本に岡田惠和(ちゅらさん)、音楽にMr.Children。原作をいかしつつも、ドラマならではの味つけがしっかり。ラストも原作とテレビドラマでは違えるそうで、ますます目が離せません。


辻調グループ校特別企画
Antique〜西洋骨董洋菓子店〜」

「西洋骨董洋菓子店」TV公式サイト




【よしながふみさんインタビュー】

●『西洋骨董洋菓子店』ドラマ化まで

印象に残ってるテレビドラマはありますか?

よしなが「岸辺のアルバム。ずいぶん昔のドラマですが・・・。。ラフカディオ・ハーンの日本の面影も。小さい頃からドラマが好きで。いまでも新しいドラマは初回を大体チェックして、好きなものを選んで見ています。最近ではカバチタレがよかったですね」

ドラマ化が決まるまでのことを教えてください。

よしなが「編集さん(新書館の担当の方)のところにまず演出の本広さんからお話が来て、私としては本広さんにマンガを読んでいただけただけでもありがたくって。で『企画が倒れたらまわりに自慢しよう』なんて考えてたんです。でも通って、しかも、月9。もう、・・・・・・・。言葉が出ませんでした。『西洋骨董洋菓子店』は恋愛ものじゃないのに、フジテレビはなんて冒険をするんだろう?両親に話して3人で『うそみたいだね』って」

それから、どうされましたか?

よしなが「プロデューサーの高井一郎さんとお会いして、いろいろお話をうかがって、こちらは『原作どおりでなくても全く構いません』『ただ連載中なのでラストだけはわたしが考えているものとはちがうものにしてください』という条件だけ出させていただいて。あとは原作者と言うよりドラマファンとして楽しみにしていたんです」

●『西洋骨董洋菓子店』マンガとドラマの気になる関係

原作は現在と過去の時間軸が重なりあったりして独特のテンポがつくられていますが?

よしなが「そうですね。基本的にマンガの主人公はオーナーの橘ですから。ただ、ドラマは時間軸をいじりすぎると見ていてすごく分かりづらいですよね。それにドラマでは主人公はエイジですから、そのあたりは純粋に見させて、楽しませてもらっていこうと」

テレビドラマではワープロ文字で書かれた<謎>が出て来ますが?

よしなが「あの謎はわたしにも、わからない(笑)。でも、ワープロで、カタカタと文字が打たれてという演出方法は『なるほど、勉強になるなぁ』って見てるんですよ。不特定多数の人に見ていただくための演出には、さすがプロだなぁと」

その他、気になっているところとか、ありますか?

よしなが「椎名桔平さんが、あまりにも橘そのものなので、もしかしたらわたしは最初から椎名さんをモデルに書いていたんじゃないかと錯覚してしまいそうで。ドラマのなかでもいかにも橘がしそうな仕種を椎名さんがなさると、ドキッとしますね。滝沢さんのエイジと、藤木さんの小野はマンガよりずっとさわやかで素敵です。いやホントにかっこいい・・・。阿部さんを含め、生身の美しい男性が同じ画面の中に4人並ぶというのは、何だか奇跡のようで呆然とします。ホント思ってもみなかった幸福な経験ですね」

3人のキャラクターのなかで、よしながさんの好みは、どなたですか?

よしなが「オヤジ好きなので、橘です」

●『西洋骨董洋菓子店』のケーキはこうして生まれた

よしながさんの思い出のお菓子は?

よしなが「母がパウンド型でシフォンケーキを焼いてくれたんです。レシピも母が工夫してくれて。それで、当時、生クリームが苦手だったわたしのため・・・かどうかはわかりませんが、砂糖でコーティングしてくれて。このレシピは『こどもの体温』というコミックスで使っています」

作品にはそういったご自分の経験を取り入れることが多いですか?

よしなが「そのままではないですが、ありますね。」

生クリームは苦手だったと、先程おっしゃってましたが?

よしなが「小さいころは。いまでも、しょっぱい系か甘いもの系かと言われれば、しょっぱい系。というかちょっと前まではそうでした。『西洋骨董洋菓子店』を描くために、あちこちで買ったケーキを食べているうちに、甘いものにめざめた!と言うか、まわりの人がおいしそうに食べているのに、自分だけ感じられないのはくやしい!損してる!みたいに感じまして。根が食いしん坊なので。今ではドラマでケースのなかのケーキがちょっと映ったりすると『あぁ、あれ、おいしそう』って、アシスタントさんと言い合ってます。アシスタントさんの中にはケーキを描きながらよだれたらしてる人もいますもん(笑)」

好きなケーキはどんなタイプですか?

よしなが「タルトのようなガシッとしたものにキュンとしてしまいます。きれいな焼き込みの色をしてると、もう・・・(笑)。ドラマに出て来たアールグレイ・インペリアルもおいしそうでした。生クリームいっぱいのふわっとしたものより、茶系のしっかり焼かれたものの方がいいですね。デコレーションでもシンプルなものの方が好きですね」

●3度の食事よりもマンガ好き!

他の作品もドラマ化してもらえるとしたら、どれがいいですか?

よしなが「あまりない・・・、しにくいんじゃないですかねぇ。『こどもの体温』なら映像化できるかなと思いますが」

理想像とされているマンガ家さんは?

よしなが「浦沢直樹さんです。あれだけの仕事量をかかえていらっしゃりながら、締めきりを絶対に守っていらっしゃる。プロとして肝に銘じなければいけないと思います」

日々、マンガを描き続けるということは、たいへんではありませんか?

よしなが「わたしマンガを描いてストレスたまっても、マンガを描いてるとリフレッシュしちゃうんですよ。ほんと趣味をそのまま仕事にしていますね。描きたくないものは、描いていませんし」

他にリフレッシュすることは何かありますか?

よしなが「マンガを読む(笑)ですね」



(協力/新書館 インタビュー・構成/はぶかひろし)




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