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ガンボ

『ロスト・ソウルズ』ポピー・Z・ブライト
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| 作り方 |


ガンボはルイジアナの風土を凝縮した故郷の味。これはシーフードとオクラのガンボです。ルイジアナ州は米の産地で、ジャンバラヤをはじめ米料理が多くみられますが、ガンボもゆでた米を添え、混ぜ合わせながら食べます。





料理を再現した人 : 西洋料理主任教授 肥田 順

 「ガンボ」。あまり馴染みのない料理名です。ただしこの小説の舞台になっているアメリカ南部が好きな方はご存知でしょう。アメリカ人ならニューヨーカーでもサンタモニカで日光浴しているレディーでも誰でもが知っている料理です。

  この料理はニューオリンズ発祥の「ケイジャン」料理の代表格です。「ケイジャン」の言葉そのものはカナダ南東部のノヴァスコシア(Nova Scotia)あたりにあったフランス植民地のアケイディア(Acadia)地方に由来します。この地方からアメリカのルイジアナに移住したフランス人の子孫たちがケイジャン(Cajun)と呼ばれています。

  ケイジャン料理には、フランスとサザン(アメリカ南部)の影響が強く現れています。小麦粉を油脂で炒めたルーをよく使いますが、いなか料理になるほど濃い色のルーを使います。油脂は主にラ−ドを使用し、味の特長としてはスパイスをいくつか混ぜて使います。その中でもケイジャン独特のフィレパウダ−(file powder) は頻繁に登場します。またみじん切りにした玉ねぎ、セロリ、ピーマン(グリーンペッパー)はほとんどの料理に用います。他に代表的な料理としては、ジャンバラヤ(Jambalaya) があまりにも有名です。

  物語の中では、カニやエビが入っているように書いてあるので今回はシーフードガンボ(Seafood gumbo)を作りました。ルイジアナではシーフード(海の幸)といってもミシシッピ川で取れるナマズやザリガニなど淡水産の魚介もたくさん入っています。これ以外にほうれん草やからし菜などの青い野菜ばかりで作るグリーンハーブのガンボ、鶏肉やソーセージを入れたものなどもあります。ガンボは必ずゆでたお米と一緒に食べるのですが、食べ方は御飯の上にソースをぶっかけて、日本のカレーと似ています。

  ニューオリンズのスーパーマーケットに入れば野菜のみじん切り、エビ、カニ、魚を一口大にカットしたものなどがまとめてパックされて並んでいます。これもできあいのブラウンルーにケイジャンスパイスを加えて、スープで溶きのばして具を加えればガンボの出来上がりです。

  ガンボは一説によると、フランス系の移民が「ブイヤベース」を作ろうとし、スペイン系は辛いスパイスを加え、黒人はアフリカから持ってきたオクラを加え、インディアンは道端に茂っていたサッサフラスの木の葉を加えてできたとか。色々な作り方があるようですが、フィレパウダーとオクラを一緒に使う人は稀なようです。

  私がニューオリンズで食べた「ガンボ」はもっと色が黒く、濃度もありました。まして塩味がきつくお世辞にもあまり美味しい印象はありませんでした。でも少しアレンジすると何と美味しいものになるではありませんか。今回はエビやカニのゆで汁に、さらに身を取ったあとの殻をもう一度戻し丹念にスープを取りました。また小説に書いてあるとおり、いつもは一緒に使わないフィレパウダーとオクラの両方を試しに入れてみました。

  うんと辛いホットな味がお好きな方は「ルイジアナ・ホットソース」をさらに上から降りかけてお召し上がり下さい。