www.tsuji.ac.jp 辻調グループ校 学校案内サイト www.tsujicho.com 辻調グループ校 総合サイト blog.tsuji.ac.jp/column/ 辻調グループ校 「食」のコラム



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16年ぶりに勤務する事になった、ここエクレール校の周りを埋めるガメ種のブドウ樹も小さな実を付け、かぐわしい香りを放っていた庭の菩提樹の花も咲き終わり、まさに木々の息吹が聞こえてきそうな初夏を迎えようとしている今、忙しさにかまけて遅れていた原稿を書いています。

夏の陽射しにソーヌの川面はキラキラと輝き、その川辺コロンジュ・オー・モン・ドールにポール・ボキューズも異彩を放ち続けている。その建物の礎には過去にあった洪水の水位と年号を示すプレートが、背丈ほどの高さに着けられて過ぎし歴史を感じさせ、中庭に入るとリヨン市内でよくみかけるだまし画に似た、高名な料理人達の壁画が目を楽しませる。入り口に向かうと、黒人のドアマン、サイドゥが笑顔で出迎えてくれる。私が仕事をしていた頃はまだ少年のようだった彼も、今は毅然とした青年になった。そして彼こそは世界で一番?有名なドアマンだろう。何しろ彼は世界中から来るお客様を出迎え、またボキューズと共に世界中のグルメの本、雑誌などにその派手な赤の制服と共に紹介されているのだから。


イニングに入ると、ボキューズという人が良く解る。レストランという空間が招かれた人々を心地よく包み込み、まるで劇場であるかのように思わせてくれる。それは店すべてに充満しているホスピタリティのスピリッツ、サーヴィスの演出、そしてパフォーマンス。主人公はもちろん各席を回り、笑顔でもてなすこの店の主人。もちろん、供される料理の一つ一つを見てもよく判る。トリュフのパイ包みスープ、すずきのパイ包み焼き、ブレス産若鶏の膀胱包み煮等々、ボキューズの料理に対する精神が漲っている。
これらはいつ来ても変わることなく私達を迎えてくれる。これが本当の文化なのだ。


そう、ここは招かれた客に喜んでもらうためだけに造られた館なのである。


杉山 忍






1階のダイニングルーム






書斎


厨房


食卓
































辻静雄や小野正吉も
壁画の中に


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