狗の持っている団扇のような大きな葉を付け、ずんぐりした鼻のような果実。
この果実は果托という、花や雄しべがつく部分が蕾状に肥大発育して出来たもので、外から花が見えることなく果実が出来るので無花果(イチジク)と名付けられたようだ。

供の頃、夏休みになると田圃の稲に水を朝夕入れに通うのが私の日課でした。その頃の田圃に水を入れる方法は、今の農家ではあたりまえのように使われている機械もありましたが、その頃はまだ常設した人力で入れる水車風のもので、1〜2時間かけて田圃に水を張るのは子供にとっては辛い労働でした。その側に無花果の木が植えてあり、いつも実を付けていましたが、取って食べることは無かったように思います。
表面の皮と内部のぶつぶつしたところ、そして甘ったるいしまりのない味が、食欲をそそらなかったようです。果物らしくないからだったのでしょう。
無花果を見ると今でも、その頃のことが懐かしく思い出されます。その為か、以外と無花果を使ってお菓子を作ることは少ないですね。
強いて言えば、いちじくのシロップ煮か赤ワイン煮程度です。

ーロッパでも研修時代あまり無花果を使ったお菓子は見かけませんでした。ただ、旬になると、皮を剥かずにそのまま、扁平で黒く熟した無花果を、食後のフルーツとしてほおばっている姿を良く見かけました。
食べるとコクがあって、日本の物とひと味違います。

近は、乾燥したものコンフィイ(砂糖漬け)状のイチジクがお菓子によく使われているようです。










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