

|作り方|
私達の住む日本の自然の景観は、「春の桜 初夏の新緑 秋の紅葉
冬の雪」に代表されるでしょう。
「秋の紅葉」は、山野にある草木が、いっせいに美しさを競うように色彩が豊かで、まさに「錦秋」と言う言葉そのものです。
名所も多く、数えたらきりがありません。例えば、京都の嵐山東福寺の通天橋から眺められる紅葉は最高です。
歌の中に出てくる「龍田川」も紅葉の名所で、奈良県の北西部生駒山地の東側を南流して大和川に注ぐ川です。近鉄生駒線に「竜田川」という駅があります。近くに神社や古墳そして法隆寺もあり、自然に恵まれた所です。
私も2年間ほど、奈良県の生駒郡に住んでいたことがあり、秋になるとよく自転車で竜田川に「紅葉狩り」に出かけました。赤く染まる紅葉の姿は、刻々と表情をかえ、素晴しいものがありました。
今回は菓銘を「紅葉の谷(もみじのたに)」と付けました。
紅葉狩りの風景を思い出し、写実的に表現しました。
小倉羊羹の小豆を「石や岩」に見立て、錦玉羹を、ゆるやかに流れる「竜田川」とし、オレンジと黄色に染めた羊羹きんとんは「夕暮れに照り輝く紅葉」を表現しています。
小倉羊羹の小豆の風味を生かし、求肥のもちもちっとするやわらかさをアクセントに仕上げて見ました。
今成 宏
|