www.tsuji.ac.jp 辻調グループ校 学校案内サイト www.tsujicho.com 辻調グループ校 総合サイト blog.tsuji.ac.jp/column/ 辻調グループ校 「食」のコラム

<ビンタイ市場>

 さてホテルを出発して、最初に目指すのは5区にあるチョロン地区。ここは華僑が多く住む地域で、この街の西はずれに大きなビンタイ市場がある。もともとチョロンとは「大市場」という意味があるらしく、この辺りの住民の台所といった感じがする。中央入口の時計台の上には龍の装飾が施されており、まるで寺院と駅を合体させたような建物である。中に入ると2階建てで、中庭を囲むように売り場が所狭しと並んでいる。一件の間口はせいぜい2mほど、よくこれで商売ができるなと思うほどのスペースしかない。山と積まれた雑貨屋さん、アオザイ用の布地店、食器屋など見事である。これで火事にでもなれば大変な出来事になるのは間違いない。

 さらに足を進めて食材売り場の方に向かうと、鶏やアヒルの鳴き声が聞こえてくる。しばらく足を止めて、鶏を絞めているオバサン達の作業を見ていた。ある人は足で鶏を押さえて首を切り、その横では熱湯に浸けた鶏の羽根をむしるオバサン。またきれいになった鶏の内臓を抜き取って、肉をさばいているオバサンなど、ごく普通に日常的にそれぞれの作業をこなしているのが印象に残る。もちろん、冷蔵庫がまだまだ家庭の中に浸透していないし、日本やアメリカのようにブロイラーを食べる習慣のない彼らにとって、このような光景は当たり前のことだと思う。

 市場の周りには XE LAM (セ・ラム)と呼ばれるオート三輪を改造したような小型バスというかタクシーが多く見られ、市場の買い物客とその荷物を運んでいる。

<アンドン市場>


 中心街に向かって東側に足を進め、次に訪れたのはアンドン市場。華僑が経営するモダンな建物で、市場というよりもデパートといった感じである。1階から3階(一部4階)までエスカレーターがあり、その上はホテルになっている。2・3階は服飾関係の店で占められ、1階は食料品店や食堂が軒を連ねている。中でも目を引くのはコーヒー豆を扱っている店が多く、その種類も豊富である。もちろん輸入ものの豆もあるが、ベトナム特産のコーヒー豆もおいている。それにここでは中国語を話せる店員がいるので、同行した堀内先生は店の人との会話を楽しみながら買い物をしていた。それにしても華僑というのは商売と口が本当に上手だと思う。


<ベンタイン市場>

 街の中心に近いためか外国人の買い物客も多い。平屋建ての大きな市場で品揃えも豊富、特に輸入品が目立つ。それに模造品のサングラスの押し売りや子供連れの物乞いの姿も目立つ。ここでヴースア(vusua)という丸い果物(「ミルクの乳房」という意味があるらしい)を買って食べてみた。中は名前通り、白くて甘い果汁がたっぷりで、手につくとベトベトするほど糖度が高い。また柿(sapoche:サポーチェ)は日本の物よりも色が赤く、味は少し大味な感じがした。




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