ここでいう「花」は「梅」です。この時代「花」といえば「桜」ではなく「梅」をさしたようです。
梅は日本古来のものではなく、奈良(万葉)時代(=7~8世紀)頃に中国から渡来したといわれています。江南の原産で、古くから観賞や果実の利用がありました。長命で古い品種が残りやすく、多くの名品種があります。
「春告花」とも呼ばれ、日本中各地に植えられており、多くの日本人に愛されている花です。毎年2月頃には咲き始めます。京都では北野天満宮や南部の青谷梅林などに人気があり、町を散策するとどこからともなく梅の香りが漂い、美しい花が目にとまります。
梅の里をイメージし、生地に用いた頭道明寺には梅の風味を付けました。表面にまぶした氷餅で雪を表現しています。
定岡 宏和