1966年大阪生まれ。高校卒業後、辻調理師専門学校を経て辻調グループフランス校へ。卒業後は、以前アルバイト経験のあった神戸の有名イタリア料理店「ポルトフィーノ」で半年間研修を積み、1985年に神戸を代表する喫茶店である「にしむら珈琲」の経営するフランス料理店「シェラメール」に就職。7年間勤めた後、フランス料理店「DEN」に入ったが、1995年の阪神大震災のため閉店となり、同年に同じ会社が経営するイタリア料理店「バールプランゾ」へ移籍。1997
年、料理長に昇格し現在に至っている。
土日はほとんど大きな予約が入っているというバールプランゾ。客数も多い時には100人を超すというから、まさにホテルの宴会並みのボリュームである。しかし、そんな時にもむしろ闘志が湧くという水田シェフ。「厨房のスタッフもみんな、歌いながら、笑いながら作ってるんです」というから楽しい。「だって、しんどいな~と思いながらイヤイヤやってたら、やっぱり味に出ると思うんですよ。特にパスタなんて陽気にやりたい。もちろん難しい面もありますが、なるべくプラス思考で、自分自身も納得できるようにやっていきたいですね」と笑う。
そんな彼が目標としているのは、「シンプルかつ華麗」をモットーにした、主役を引き立てる料理作り。「それぞれの食材に応じた適切な仕事をして、素材の持ち味を生かし、あまり複雑になり過ぎない、わかりやすい美味しさ」を目指す。そのためには一方で、「フランス料理やイタリア料理といった枠にとらわれず、他の国の料理法でもいいところはどんどん取り入れ」、また一方では「自分自身のオールラウンドな技術に磨きをかけながら、日々の仕事に励んでいる」と語る。
店では歌いながらパスタを作り、家ではインターネットで料理の知識を仕入れ、休日にはスポーツクラブで健康管理に努める…。確かに、苦節ン十年、厳し
い子弟関係などといった古い料理人のイメージに縛られない、新しいタイプの料理人がそろそろ出てきてもいい頃だろう。水田シェフがやがて独立した時、また
ひとつ新たな感性の、魅力あふれるレストランが誕生することを期待して待ちたい。

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左は店長の玉城さん。辻調グループ校の卒業生です。
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