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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
あんかけチャーハン


あんかけチャーハン

   
 「初めて作った料理は何ですか?」何かの機会にこんな質問を受けました。これまでたくさんの料理を作ってきましたが、さて、初めて作った料理・・・・・・。一生懸命、記憶の糸をたどってみたら、どうやら“炒飯”のようです。もちろん、それ以前に目玉焼きぐらいは作った事はありますが。これでも一応料理の先生なので、目玉焼きは除外させて頂きます(決して目玉焼きを馬鹿にしているわけではありません)。

  小学生の頃、授業が昼前に終わり、おなかをすかせて帰宅すると、母がよく炒飯を作ってくれました。その光景を見るにつれ、自分も作ってみたいと思ったのが、料理の道を志したきっかけでした。見よう見まねで作った炒飯は、今思えば「炒めたご飯」というよりは、ぐちゃぐちゃの混ぜご飯でした。作り方はというと、煎り卵を作って取り出し、次に大量のご飯を炒め、煎り卵を混ぜ合わせるのです。そうするとご飯がパラパラにほぐれず、ぐちゃぐちゃ混ぜご飯が完成されるわけです。当時はそれでも出来栄えに満足していたものでした。
  炒飯は調理工程が単純なので、料理人の腕前がはっきりと料理の出来に表れます。美味しく作るコツは分量にあり、火力によってご飯の量を加減します。火力の弱い家庭のガス台で作る場合は、少量ずつ分けて作ると米粒の一つ一つがしっかりと炒められ、熱くて香りのよい炒飯が出来上がるのです。
  また、卵は完全に火が通る前、半熟状態の内にご飯を投入し、ご飯が卵でコーティングされるように炒めるのも上手に作るポイントの一つです。つまり、小学生の僕は全てにおいてセオリーに逆らっていたようです。ちなみに見よう見まねで母のやり方を覚えたという事は、母も当時は煎り卵方式及び大量調理で作っていたはずと思い、調べた所、今でもかたくなにその方式を守っていました。母よ!明日からは半熟方式をお勧めします。

 香港や中国で食べた炒飯がパラパラしていたという話をよく耳にしますが、これは日本で主に食されている米とは違い、インディカ米といわれる細長く粘りの少ない米を使っているからなのです。逆に、日本の米は短く粘りが強いので、軟らかく炊き上がると炒飯にするのは難しいのです。

インディカ種ジャポニカ種
 
 ご飯の炊き加減は好みがあり一概にどれがよいとはいいにくいのですが、僕は普通の固さに炊いて粗熱をとったご飯で作るのが好きです。固く炊いたご飯は炒めるのに適しているように見えますが、パサパサになりやすいので余りお勧め出来ません。どうしてもうまく炒められない時の隠し技としては、あらかじめご飯に生卵を混ぜ、お好み焼きのように一旦丸く焼いて卵に火を通してから、ご飯をほぐすのです(簡単炒飯のレシピを参照)。このようにすると「今日は少し軟らかく炊き過ぎたな」と思えるご飯でも卵が万遍なく絡み、かつパラパラに仕上がります。

鹹魚鶏粒炒飯ハムユイ

 一口に炒飯といっても色々な種類があり、中には一風変わったものもあります、例えば鹹魚鶏粒炒飯(ハムユィガイラップチャウファン)。鹹魚と鶏肉が入った広東料理でおなじみの炒飯です。鹹魚とは塩漬けの魚の事で、お腹の中とエラに塩を詰め発酵させてから天日干しにしたものです。発酵食品なので、調理するまでかなり個性的な臭いがしますが、ひとたび炒めると香ばしい香りと旨みに変わります。好きになると病み付きになる味で、炊き込みご飯に入れたり、ミンチと共に蒸したりもします。
 日本では手に入りにくいので、塩鮭で代用したりしますが、やはり鹹魚で作ると一味違います。香りと旨みが後をひく、この炒飯を香港にいった際には是非食して下さい。
 鮑汁鱆魚飯(パウチャップチョンユィファン)。中国高級食材の一つに数えられる乾鮑(干し鮑)を戻す時の旨みをたっぷり含んだ煮汁(鮑汁)で味付けした炒飯です。残念ながらアワビは別の料理に使いますが、代わりに干しダコが入っています。煮汁を加えるのでリゾットに近く、炒飯はパラパラにするという固定観念を覆すシットリとした状態に仕上がります。煮汁の奥深い味と干しダコのプチプチした触感がなんともいえません。

鮑汁鱆魚飯鱆魚

 福建炒飯(フォックギンチャウファン)。卵炒飯に具沢山のあんがかかっているので、炒飯と中華丼が一緒に食べられるようなちょっと得した気分になれます。上からオイスターソース風味のあんがかかるので、卵炒飯の味は薄めにつけます。パラパラになった炒飯を食べるのもよし、トロッとあんを絡めて食べるのもよしと色々な触感が楽しめます。「福建」と名前がつくのに、福建省にはなく、香港で人気の炒飯です。

 どうですか。炒飯といってもなかなか侮れないと思いませんか。それではこの中から福建炒飯の作り方をご紹介したいと思います。ご飯を炒めるのとあんを作るという2つの工程がありますが、仕込みをきっちりとし、先に紹介したご飯の炒め方を守っていただければ、プロが作った炒飯に負けないものが出来上がります。是非チャレンジして下さい。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ あんかけ炒飯

緑眼鏡の料理人
人物 菊川広光
中文之星
人物 福冨 奈津子
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