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連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
牛肉と中国風きしめんの炒め
干炒牛肉河粉


牛肉と中国風きしめんの炒め

   
 中国料理の世界に入って十数年、しかし、ここ数年はベトナム料理に寄り道をしています。ベトナム料理は中国料理とフランス料理の粋を集めたものです。中国料理を側面から眺めるために、いざベトナムへ。

 ベトナムでおいしい食事をするには、料理名に加えて、店や時間帯についてある程度知っておくことが大事です。ガイドブックなどを見て探したりしますよね。でも、一番簡単なのは店先にバイクがたくさん停まっている所。そういう店は地元のベトナム人がおいしいと思って食べている所です。ガイドブックに載っていなくてもおいしい料理店はいっぱいあります。

 初めての人にはベトナム語で書かれたメニューを見て理解するのは不可能です。隣の席で食べている料理がおいしそうだったら、それを指差して、「それ!」とか「cai nay(カイナイ)」って言ったら大体通じるもんです。お昼でしたら「COM(コム)」というご飯屋というか定食屋さんに行き、バットに十数種類並んでいるおかずの中から、自分の好きなものを2〜3種類選びます。スープとご飯がついて、日本円で200円くらいだったでしょうか。見るとどれもおいしそうなので、直感でこれとこれとあれと指差したらOK。テーブルに着くとご飯が運ばれてくるのですが、洗面器みたいな器にたっぷり。食べきれずに残してしまいました。残しても構わないと後から聞いて一安心。

フォー・ボー フォーは米の粉から作った白く柔らかい麺のことで、沢山あるベトナム料理の中でもゴイ・クン(生春巻き)と並んで最もポピュラー。熱いスープ入り麺、フォー・ガー(鶏肉入り)とフォー・ボー(牛肉入り)は朝にも昼にも軽食にも夜食にも、いつでも気楽に食べられます。街を歩けば、必ずどこかで「PHO GA(フォー・ガー)」、「PHO BO(フォー・ボー)」の看板に目が留まります。屋台でも専門店でもどこで食べてもほとんど「はずれ」がなくおいしいのが嬉しい。観光客向けに忙しくなって味が落ちたと噂の店もちらほらありますが。

 フォーは米をすりつぶして作った生地を薄く伸ばして蒸し、包丁もしくは専用の機械で切って作るのです。きしめんの半分くらいの幅と太さで、乾麺も売っているのですが、店や屋台ではたいてい作りたての生麺を使っています。生麺の風味のいいこと。ベトナムでは朝食にフォーを食べる人が多いのです。豚骨や牛骨でだしを取った熱々のスープと薬味と柔らかい麺は、朝の身体をゆっくり解きほぐしながらバランスのいい栄養を補充してくれます。注文するとすぐに湯気の立つ丼が目の前に運ばれてくるので、忙しい朝に最適です。サラリーマン御用達の駅の立ち食いそばみたいなものでしょうか。

 皆さんはラーメンやうどんを食べる時、丼に顔を寄せて箸で持ち上げた麺をズルズルと食べますよね?僕はそうです。ハフハフしながらズルズル…いいですよね。ベトナムでも日本と同じように、うまいうまいと思いながら、ズルズル、時折肉やハーブを箸で口に運び、食べ終える頃には丼を持ち上げてスープを飲んでいました。でも、少し余裕がでてくると、周りの地元のベトナム人からは麺をすする音も聞こえてこないし、丼を持ち上げている人などいないことに気が付きました。あれれ?いやらしくも食べている所を観察してしまいました。箸で麺、肉、モヤシ、ハーブを少しずつレンゲの中に入れ、スープをそっとすくって、一口でスルッと口の中に入れています。なんてスマートな食べ方なんでしょう。皆こんな風に食べているのです。日本人だけです、ズルズルやっているのは。顔から火が出そうなくらい(実際火が出たら怖いですけど)あぁ恥ずかしい。早速やってみました。チリレンゲの中に入れた一口分をスルッと口にほり込むと、仕草だけの違いではありません。少しずつ入った素材が口の中で合わさる味わいに比べれば、 麺や肉、ハーブ類を別々に口に運んだときの味が単調に思えてきます。手軽そうでとっても繊細な料理なんだなと思いました。

 フォー屋のテーブルの上にはあらかじめ、生のハーブ類の入ったザル(入れ放題!大好きな人にはたまりませんね)、ベトナムライム、斜めに切った生赤唐辛子、唐辛子味噌、甘い味噌、ヌクマム(魚醤)がおかれています。基本的にフォーのスープは薄味。運ばれてきたフォーに好みのハーブ類、ベトナムライムを搾り、唐辛子をちょっと加えて味を引き締め、自分の好みの味に仕上げます。香草類は大好きなので沢山ね。

 一般的に北部のフォーがおいしいと評判。何でもフォーは北部のハノイが起源のようです。ライムや唐辛子を入れるのは南北共通ですが、北部では生のハーブ類は入れません。聞けば生のハーブ類を入れたらスープが冷めておいしくなくなるとのこと。北部の気候は日本みたいに四季がはっきりしていて、日本人のように熱いスープが好みのようです。
 南部で生のハーブ類を入れるのは熱々のスープを冷ますため。南部は気候が暑く、湿気が高いため、冷ました方が食べやすいみたいです。ベトナム人曰く、「だって暑いから熱いのはねぇ…」。ふ〜ん、なるほど。

フォーを干している所 ホーチミン郊外のフォーを作る工場に見学に行ってきました。うだるような暑さと湿気の中、ホーチミン市内から車で15分くらいでしょうか、周りの景色は田園風景。のどかだな・・・。工場といっても小さな一軒家。とある一軒家でフォーは作られておりました。外も蒸し暑いけど、部屋の中も蒸し蒸し。大きな鍋に布をピンと張り、その上にすりつぶした米の液体を流して蒸します。

フォーの袋詰め 布ごと竹網に載せて干してから切ります。この作業を朝の4時とか5時くらいからやって、市場に持って行き、昼までに売りさばきます。見た目以上に重労働・・・。おいしいものを作ろうと一生懸命なその姿を見たので、食べる時にはそれを思い出して、感謝しながら食べなければ。

 そうそう、帰りの空港の待合所で飛行機の出発時間を待っていると、とある素敵な?お年を召された女の方が(当然ベトナム人)僕に向かってベトナム語で話しかけてきました。何を話されているのか分かりません。もしかして、この人は僕のことをベトナム人と思っているのかな??きっとそうだ、そうに違いありません。そこで「アイム ジャパニーズ!」。そしたら、「えっ!」みたいな顔をして(多分納得してないんだろうな)向こうに行ってしまいました。そんなに僕の顔はベトナム系なのかな??

 今回の料理はできたてのフォーを使って…とはいかないので、乾燥のフォーを使用して香港風の焼きそばを作ります。中国でも米で作った麺があり、香港では沙河粉という幅広の麺を使っています。中国たまり醤油で色付けしているので、見た目ほど醤油の味が強くありません。中国たまり醤油がない時は、色がちょっと薄くなって残念ですが省略です。赤、黄、緑の彩りがきれいな料理です。ぜひ作ってみてください。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 牛肉と中国風きしめんの炒め

さすらいの自転車馬鹿
人物 岡部力三
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人物 福冨 奈津子
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