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連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
今までは本校の先生方の思い出話とか料理にまつわる話、歳時記等の話が中心でしたが、今年は日常を振り返り、例えば「チャーハンをパラパラに上手に作りたい」とか「プリプリエビチリを作りたい」とか、より具体的、実践的な内容でお贈りします。つまり、ある料理にスポットを当てそれに関する疑問に答え、どのようにしたらより美味しくなるかを考えます。けっして難しいことはないのですが。
ご飯代わりのパオズって何?


ご飯代わりのパオズって何?

   
うれしい事に熱心な読者からメールを頂きました。このような内容です。
はじめまして。
毎回楽しくメールを拝見しています。
おいしいもの、甘いもの大好き一家です。
グルメな友人から聞いた話。
「本場中国のパオズ(包子)はおいしい!
麺を食べに行った大連のもの、
モンゴル自治区のローカルなお店のパオズが
もう本当においしい。やっぱり
本場に行かなくてはだめ!」とのことです。
ご飯代わりの食事でいただくパオズが
それだけ食べてもとてもおいしかったそうです。
ご紹介いただけると嬉しいです。
実はメールを頂いたのはずう〜っと前の事でしたが、やっと紹介できました。真に申し訳ございません。そして、ありがとうございます!今回は文中の「ご飯代わりの食事でいただくパオズ」を紹介しょうじゃありませんか!紹介していただく先生は以前唐揚げを担当しました高橋先生です。では、どうぞ!


高橋 メールありがとうございます。今回は特にテンション高いですね。ところで塘先生、文中の「ご飯代わりの食事でいただくパオズ」ってなんですか!もっと詳しい情報はないの?

・・・えっと・・・えーっと・・・いや・・・うん!これだけ。

高橋 ええっ!これだけ!怠慢や!丸投げやで!どないせっちゅうんや〜。

まあまあ、落ち着け。モンゴルの小麦粉を使った料理を調べてみると、
ボーズ・・・羊肉を細かく切り、塩、香辛料などで味つけをし、これを餡とし、小麦粉を練った生地で包み蒸したもの。薄皮で見た目は中国のショウロンパオみたい。
バンジ・・・モンゴル版の水餃子。生地と餡は基本ボーズと一緒。
ホーショール・・・揚げ餃子。バンジよりも皮を大きめにのばし、餡を包み、油で揚げる。餡はボーズ、バンジと一緒でやっぱり羊肉を使う。

他にもツォイワン(モンゴル風焼きうどん)など。また、『世界の食べ物 週刊朝日百科 中国9 少数民族の食文化、宗教と料理』(1982年 筆者周達生氏)にもモンゴル族の食べ物の中に、マーハーイーテン(羊を煮たもの。水煮)のスープの中に麺條(太めでうどんみたいなもの)が入っている料理が紹介されています。いずれも「ご飯代わりの食事でいただくパオズ」みたいなものはないようです。西隣のウイグルでも、ナン(インドのより固め)やラグマン(引っぱってのばすタイプの麺、料理と一緒に煮込んで食す)が主流で、やはりパオズみたいなものは見当たらない。ご飯代わりというより、どっちかというと料理そのものが多いようです。
いろいろ考えた挙句、文章から受ける印象から「ご飯代わりの食事でいただくパオズ」とは、中国料理で添える「割包(ゴーパオ)」、「銀絲捲(インスーヂュエン)」、「荷葉餅(ホーイエピン)」などのパンの類のようなものではないかと考えました。モンゴル自治区の都市部なら中国料理店が沢山あって、そうゆう食べ物が一般に浸透していてもおかしくないと思います。でも、パオズというと普通中身が入っているものを指すので、これはきっとパオズの生地だけの蒸しパンみたいなものでしょう。そして、蒸しパンならご飯の替わりになりますね。たぶん、これに違いない!(勝手に断定)これなら先生のフィールド内じゃないですか!率直に今回は「ご飯代わりの食事でいただくパオズ」の形がわかりません。単に丸い饅頭の形なのか、薄いナンみたいな形か、あるいは棒状か、パンは形によりさまざまな種類が存在します。


高橋 なるほど安心いたしました。じゃ今回は、沢山の種類のパンの中から「割包」を紹介したいと思います。パンだけだとなんですので、モンゴル由来の北京料理「烤羊肉(カオヤンロウ)」も重ねて紹介いたします。本当は「烤羊肉」の添えは「芝麻焼餅(ヂーマーシャオピン)」「空芯餅(コンシンピン)」といった焼いたパンが主流ですが。「割包」の方がよりパオズに近いのでこれにします。「割包」も実は主に台湾で作られるので、少し的外れのような感がありますが、簡単で美味しいのでこれに決めました。
割包。中に料理をはさんで食べる。
割包。中に料理をはさんで食べる。
北京の「烤羊肉」は清真菜(イスラム教徒のための料理)で、中国北西部でよく登場します。僕が調べた本(『中国名菜譜 北方編』)によると、明朝末期から清朝初期にかけて始まったとされています。清朝の順治年間(1644〜1661)に一部のモンゴル族の官史が好んで食べたのが始まりで、当初は茹でた羊の肉を冷水につけて引き締め、それを烤肉炙子(スリットがある分厚い鉄板)の上で炙り、ニンニクや醤油をつけて食べていたようです。「焼く」は最古の調理法で、中国の現存する最古の料理書といわれる、6世紀の賈思(かしきょう)の「斉民要術(せいみんようじゅつ)」にも「腩炙(ナンヂー)肉をタレに漬け、あぶる」とすでに記述されています。

北京には有名な「烤羊肉」の店が2軒あり、1軒は宛さんが牛肉、羊肉を車に載せて売ったのが始まりの「烤肉宛」(創業1689年)、著名な画家の張大千、京劇の名優である梅蘭芳などそうそうたる芸術家が常連だったとか。もう1軒は「烤肉季」(創業1874年)。季さんが什刹海一帯の湖のほとりにある銀錠橋のたもとで焼肉店というより小屋を立てて営業したのが大繁盛して、王侯貴族たちもこっそり通ったほどだそうです。

作り方は、先ず羊の肉を冷凍にして、これを極薄く切ります。できるだけ薄いほうがやわらかく食することが出来ます。次に醤油、紹興酒、ショウガ汁、砂糖、ゴマ油、滷蝦油(エビから作った醤油)で味つけをしておきます。
読者の皆様は、滷蝦油だけは手に入れるのは難しいと思います。それで今回は滷蝦油を入れないレシピを紹介します。でもこのほうがかえって肉の味が素直に味わえますよ。

味つけしたら10分ほどおき、葱と一緒に簀の子状の厚い鉄板(本来は烤肉炙子、家庭ではホットプレートなどで)の上でサッとできるだけ短時間で炒めます。炒めるときはできるだけ厚めの鉄板で、しかも鉄板はガンガンに熱くして、手を動かすのが早いか、こげるのが早いかというイメージで調理した方が香りがよい。これはまさに鉄板と調理人のガチンコ勝負です。

食べるときは、糖蒜(ニンニクの砂糖漬け なければラッキョウを代用品に)とキュウリを添えます。美味しいですよ。それに今回はおまけに奶茶(モンゴルのミルクティー)を紹介しましょう。

奶茶はモンゴルの言葉でスーティチャイといいます。先ず「磚茶」(せんちゃ。「磚」は瓦やレンガを表す)というお茶を使います。これはプーアル茶と同じで製茶の時に四角形の型に詰めて固めたお茶です。日本ではなかなか手に入らないので代わりに今回は手軽に求められる雲南紅茶を使いました。これを少量のお湯で濃く煮出し、原乳を混ぜます。新鮮な原乳など手に入りませんから、代わりに今回は牛乳と生ミルクを入れて濃厚な感じにします。これを攪拌し、味つけに少量の塩を加えて出来上がり。アワを炒ったものを上に浮かべると現地っぽいですね。好みでバターやクリームチーズを入れても。こうなるとお茶というよりもポタージュ的な感じです。味は好みにより評価が分かれますけれど、あると雰囲気が違いますよ。どっちかというと僕は「紹興酒」のほうが好きですけど。


奶茶の作り方
1.水200mlに紅茶大さじ2を入れ、しばらく煮て濃く煮出し、漉す   2.煮出したお茶を鍋に戻し入れ、牛乳300ml、生クリーム40 ml入れて加熱、攪拌する。
1.水200mlに紅茶大さじ2を入れ、
しばらく煮て濃く煮出し、漉す
  2.煮出したお茶を鍋に戻し入れ、
牛乳300ml、生クリーム40 ml入れて加熱、攪拌する。
3.塩少量入れ、カップに注ぐ。(砂糖を入れてもよい)   4.好みでバターかクリームチーズを入れて、さらに濃厚に仕上げてもよい。
3.塩少量入れ、カップに注ぐ。
(砂糖を入れてもよい)
  4.好みでバターかクリームチーズを入れて、さらに濃厚に仕上げてもよい。

なるほど、とても美味しそうですね。羊は体内の脂肪を燃やす働きのある「カルニチン」とか豊富で、肥満にもよさそうですね。

高橋 でも、こんなんでよかったのでしょうか?

・・・正直わかりません。お便りくれた方。またよかったら、御指導のお便りくださいね。お待ちしております。



 

このコラムのレシピ

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レシピ 羊肉の鉄板焼き

流浪の食いしん坊 RYO
人物 高橋 良輔
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