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連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
今までは本校の先生方の思い出話とか料理にまつわる話、歳時記等の話が中心でしたが、今年は日常を振り返り、例えば「チャーハンをパラパラに上手に作りたい」とか「プリプリエビチリを作りたい」とか、より具体的、実践的な内容でお贈りします。つまり、ある料理にスポットを当てそれに関する疑問に答え、どのようにしたらより美味しくなるかを考えます。けっして難しいことはないのですが。
ふわふわ蒸しケーキが食べたいな♪


ふわふわ蒸しケーキが食べたいな♪

   
今月から新しくコラムを担当する中国料理班の職員を紹介します。
TENSIN木村こと木村美香先生です。木村先生は辻調理技術研究所を卒業後、職員として勤務。早や・・・・・・えーっと、早や・・・・・・あれ何年だっけ。ともかく、あの点心でお馴染みの藤田先生の後輩で、得意料理は点心、料理、何でもござれのマルチで、手先が器用な後輩です。どうぞよろしく。えーっと、木村先生は勤続何年になったかな?


木村 始めまして木村です。忘れたんですか!塘先生困ります。私は、辻調理師専門学校の後、技術研究所中国課程を卒業し、ここ辻調で働いて今年で6年目です!料理、点心は驚き、発見の連続で、奥深いなぁ・・・と日々感じています。今回も塘先生に習い、色々と技を盗んでいきたいと思います!!では、宜しくお願いいたします!

ところで、今回のテーマは塘の独断で蒸しケーキにしたいと思っています。

木村よっぽど思い入れがあるのですね。韓国人のオムニの味とかイタリア人のマンマの味にあたるやつですか?

私は佐賀の出身ですので、「がばい おかさん(母親のこと)の味」となるのでしょうか。塘の少年時代、私の母はお菓子を買うことはめったにせず、すべて手作りが基本でした。といっても簡単で素朴なもので、かりんとう、ドーナッツ、おはぎ、草餅、フルーツゼリーなど主に畑で取れる作物、果物を中心に作っていました。ところてん、ポテトチップス、おかき、ジャムまで自家製でした。手作りしなかったものは、クリスマスのケーキとチョコレート、アイスクリームぐらい。お手製菓子の中でも蒸しケーキはよく作ってくれて、お客さんのお茶受けとしても登場していました。しょっちゅう登場するので、私は蒸しケーキはどっちかというと食傷気味で敬遠していました。少年時代はより刺激の強いお菓子に目が奪われがちで、テレビの中の洋菓子はかなり魅力的です。特にクリスマス時期のケーキはそれが家にあるだけで、「今日はケーキば食べらるんぞ♪」(佐賀方言、食べることができる)と心が躍ったものです。今となれば昔ながらのガチガチのバタークリームのケーキをなんて、なぜあんなにありがたがって食べていたのか、自分ながら理解できません。大人になり、大阪に来たとき、お世話になったアパートの大家さんのおばあちゃんが、「兄ちゃん、これ食べーや!」って、よくお芋入りの自家製の蒸しパンをくれました。意外にも、大阪のおばあちゃんも「おかさん」と同じもの作るんだと世間の狭さを感じたものです。

あっそうそう言っておきますが、少年時代の塘家は貧乏じゃありませんから。そこの所強調しておかないと後で「おかさん(母親)」に叱られそうです。要するに母は手間かけても、コスト(銭)をかけないお菓子作りを心がけていたのです。だから、その証拠に絶対自分では作れないケーキなどは買って来てくれました(クリスマスのみですが)。佐賀県人は特殊な気質があって非常に倹約家(ドケチ)が多いのです。これは山本常朝の「葉隠」みたいに質素を旨とする武士の精神がいまだ生きているともいえるし、最近の島田洋七氏の著書「佐賀のがばいばあちゃん」でも知られている通りです。でも見栄っ張りの部分もあって、いざ使うときは、ぱあ〜っと派手に使うのです。そこが、佐賀県人が商人気質の大阪人と似て非なるところです。母はその上、倹約一つとっても、色々工夫をするのが上手い!お菓子の達人です。今、塘の料理人としての活動は、そうゆう佐賀の気質と母の遺伝子が影響しているのかもしれません。あ〜、でもなんだかんだ言っても結局叱られそうです。

中年になって胃腸の働きがちょっと弱くなると、刺激の少ない、おなかに優しい素朴な蒸しケーキをしきりに食べたいなと感じます。蒸しケーキ!あ〜懐かしい、あ〜、食べて〜。木村先生はこんな思い出はないの?


木村 私にもあります。私は仙台出身で、私の母も塘先生のお母さんと一緒で、お菓子を買うということはめったになく、すべて手作りでした。ケーキで印象に残っているのはレモンケーキですね!小さなレモンの形で、生地にレモンの皮、果実がふんだんに入り、なんとも爽やかなケーキです。今思うと、どちらかというとずっしりとした感じのケーキでしたが、とても楽しみにしていたデザートの一つですね!なぜなら、このケーキは子供心を躍らせる遊び心満点のケーキだから!!

まず、1日目。1日目は焼きたてなので表面がさっくりしていて香ばしい感じ。2日目は表面に蜂蜜レモンシロップをしみこませてあり、これがなんとも甘酸っぱくておいしい!そして、実はこのケーキ、当たりが仕込んであります。当たりのケーキには中にレモンチョコレートが入っているのです!!焼きたてのあたりケーキはチョコレートがトロトロ。2日目にはこのレモンチョコレートが固まり、また違った味わいでそれを食べるのに毎回兄弟げんかでしたよ。私もだいぶ母の影響が強くて、料理やお菓子に興味があり、この世界に飛び込んだのかもしれないですね!!


なるほど、それぞれ思い入れがあるのですね。それでは改めて、蒸しケーキを作ってみたいので、木村先生に2、3聞いてみましょう。ところで今回紹介します広東風の蒸しケーキは、基本的に日本のものとは余り大きな差はありません。実は蒸しケーキについては結構リクエストが多いので、今回のテーマに決めました。今回の蒸しケーキ「馬拉糕(マーラーガオ)」は広東点心の花形でもあります。では木村先生よろしくお願いします。

: 「馬拉」ってマレーシアの意味ですが、マレーシアが起源のお菓子なの?
木村 いいえ違います。これは近年広東で生まれた点心です。
古典的な茶色いマーラーガオ
古典的な茶色いマーラーガオ
このお菓子の名前についての由来は、実はよくわかっていません。よく言われている話では、この生地には膨らませるために重曹を入れたり、香りのためカン水を入れたりしますが、これらが仕上がりの色を茶色っぽく変化させます。そして、この蒸しケーキの表面が艶やかで茶色い感じがマレー人の肌の色によく似ているのでこのような名前がついたとか。
今回のマーラーガオは、カン水を入れるとまた独特の風味になりますが、アルカリ臭さが嫌な人がいるので入れていません。したがって、仕上がりは黄色っぽくなります。


: なるほど。ところで馬拉糕の一番のポイントはなんでしょう。
木村 簡単で素朴なお菓子なのであんまりないですよ。あげるとしたら、生地の混ぜ方と蒸す前に少し時間をおくことでしょうか。先ず混ぜ方ですが、ダマにならないよう液体と粉を混ぜ合わすときに、素早くさっくり混ぜること。あまり乱暴に混ぜるとグルテンが出て固くなり、膨らんでも縮んでしまう。ふわっと、さくっとした状態にするにはダマを作らないことも大事ですが、あまり混ぜすぎて余分なグルテンを出さないことも肝心です。

それともう一つ。生地を混ぜ合わせた後、しばらく室温においてガスを十分発生させることが重要ポイント。慌てて蒸すと十分膨らまなくて失敗することも。この2点さえ守れば誰でも簡単に作れます。


なるほどな〜。黒糖入りやバナナ入り、定番のレーズン入りやサツマイモ入りの蒸しケーキ。想像しただけで、なんだか楽しくなるな〜。

黒糖サツマイモ入り   バナナ、紅茶の葉入り
黒糖サツマイモ入り   バナナ、紅茶の葉入り

木村 先輩は根っからの料理人ですね。

そう!そして根っからの食いしん坊なのだ。



 

このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ ふわふわリンゴ入り蒸しケーキ

TENSIN 木村
人物 木村 美香
上海の兄やん
人物 塘 和英
中文之星
人物 福冨奈津子
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