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連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
さつまいもの飴煮
抜絲地瓜


さつまいもの飴煮

抜絲のこと
 中国のデザートの中でも有名で好まれている一品です。授業で「抜絲地瓜(さつまいもの飴煮)をします。」こういうと生徒は、「知ってる。大学いものことだよね。」とよく返ってきます。私もそう思っていました。確かに、いもを揚げて飴を絡めるということでは同じです。でも、決定的な違いがあります。大学いもは蜜(液体状)を絡め、抜絲は飴(ガラス状)をコーティングするのです。
 では、飴と蜜の違いはなんなのでしょう。簡単にいうと煮詰め方の違いです。砂糖を水で溶かし、鍋で煮詰めていくと水分が蒸発し、少しずつ濃度がついてきます。トロミがついてドロッとした状態が蜜です(大学いもは醤油などを入れているところもあります)。それを更に煮詰めていくと、黄金色に色付きます。べっ甲飴になるのです。これを素早くいもに絡めると「抜絲地瓜」の出来上がりです。飴が絡んだいもを箸で持ち上げると糸を引きます。この状態を「抜絲」といいます。

 以前、友人と酒を飲んでいた時、「抜絲」の話題で盛り上がりました。「あれほどシンプルで、かつ美味しいものは世界中で受けるはずだ。商売しよう!!」と私がいい、「日本なんて小さい、小さい。世界で商売しよう。」と友人が叫ぶ。「そうだ!まずニューヨークのセントラルパークで屋台を引こう。」どんどんエスカレートして、すっかりその気になって、延々と閉店時間まで飲み明かし、「この話は具体案が出るまで誰にもしゃべるなよ。」と別れたのでした。
 しばらくして、難波の戎橋筋を歩いていると、なにやら新しくオープンした店に大行列です。見てビックリ、まるで洋菓子店のような洒落た店で、売っているのはまさしくアレだったのです。やられたと思いました。まさかあいつがオーナーなのでは?違いましたが、同じようなことを考える人はいるものです。あの時、私にもう少しお金と勇気があったらと考えないでもありません。

点心について
 今は点心を担当しています。と言ってもまだまだ勉強中の身ですが。中国料理にはさまざまな分野のエキスパートがいます。前菜・各地の料理・飾り(彫刻・細工)・サーヴィス・点心・・・・・・。周りの先輩は何でも出来るスーパーマンのようです。
 入職してすぐは、自分に何が出来るのかを考える余裕もなく、毎日がどんどん過ぎていきます。それこそ何でも経験していきます。料理はもちろん前菜・飾り・点心、授業の助手をしながら仕込みを覚え、残った材料をかき集めて作ってみる。先輩が何かしていたら、手伝いを装い近づいて、いつのまにかメンバーに潜り込み、なんだかんだ教えてもらう。そんなことを繰り返して自分に出来ることが見えてくるのです。
 でも、正直にいいますと、点心は好きなのだけど、手先の仕事になかなか自信が持てず、悩んだ時期がありました。「点心は経験、ひとつでも多く包んでおぼえること。」先輩に言われたことを時には生徒にいいながら、自分にもいい聞かせるのです。

私の作った月餅の型 生徒の時、自分の好きな料理を作る機会がありました。私は中国点心を選び、初めて自分の手で作ったのです。私は無謀にも月餅を作りました。極薄い皮で餡を包み、型に入れて抜き、オーブンで焼きます。問題は型でした。道具屋筋に見にいくと、恐ろしく高く1万円程したでしょうか。そこで木の板を買って自分で作ることにしたのです。月餅の出来上がり彫刻刀を使って模様を彫り、丸く穴をあけた板と合わせるというシンプルなものでしたが、半日かけやっと出来たその型で、何とか月餅らしきものが完成した時の喜びは忘れられません。その頃は、点心が自分の仕事になるとは思っていなかったのですが、今でも大切にしているその型を見ると、縁のようなものを感じます。



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