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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
若鶏のはちみつしょうが煮
蜜汁紫姜鶏


若鶏のはちみつしょうが煮

   
 「購物天堂(買い物天国)」として有名な香港で、ガイドブックに載っていない自分自身の味なもの探しをしてみませんか。1997年の中国返還まではこぞって香港に行き、ブランド品を山のように買っている日本人をよく見かけました。バブル全盛時には、かのペニンシュラホテルで、Tシャツ短パンの海辺を歩くような服装の女性の後を、ホテルのボーイさんが両手いっぱいの包みを持ってついて歩いているのに出くわした時は、さすがに眉をひそめてしまいましたが。
 そして、香港のもうひとつの魅力は「美食天堂(料理天国)」。まずは、食材探し。何処に行けばいいのでしょう。香港には大きな市場、超級市場(スーパーマーケット)、小さな店がひしめいている街市、露店などがあります。
 時間がない観光客には、お薦めは1箇所で何でも揃っていて、明朗会計のスーパーマーケットです。値段はちょっと高めですが、言葉ができなくてもお目当てのものを探すことができ、さらに、面白いものを発見・・・というチャンスもあります。ただし、これは日用品についてです。よいものはやっぱり専門店に行かないと。

 現地の方は値切ったり、雑談が楽しめる露店を訪れます。私も色々見て回りましたが、露店が一番素材が新鮮な感じがしました。両サイドに並ぶ屋台からは威勢の良い声が飛んできます。はじめは喧嘩を売っているような感じにしか聞こえなかったのですが、慣れてしまった今は優しく声をかけてくれているように思えるのは私だけなのでしょうか(笑)。雰囲気は露店が最高です。
 専門店といえば、乾燥材料なら上環(ションワン)。乾物屋さんが建ち並び、通りを歩くとフカヒレ、干し鮑、海ツバメの巣、干しナマコなどの、あの篭ったような独特の強烈な臭いが鼻を突きます。道路の真ん中にも日に当てるために乾物が広げられています。ちょっと失敬という不届きのやからはここにはいないのでしょう。多分。他に香辛料、鹹魚(ハムユ)という塩漬け魚、中国ハム、中国ソーセージなどもたくさん売られています。
干しタコ、キヌガサタケなど 高価な海ツバメの巣 街の乾物屋さん

干しタコ、キヌガサタケなど

高価な海ツバメの巣

街の乾物屋さん

 また、調理器具を買いたい方には、九龍サイドの地下鉄油麻地(ヤウマーティ)駅の近くに上海街という所があり、陳枝記(チャンヂーケイ)を始め器具屋さんが軒を並べています。包丁、セイロなど調理器具は大抵ここで揃います。種類の多さのほかに、値段の安さも魅力です。マンゴープリンのハート型は日本で買う値段の10分の1くらいでした。確かに香港までの交通費はかかりますが。
 街を歩くと面白い場面にめぐり合います。
鶏は生きたまま売られる

鶏は生きたまま売られる

セントラルにある3階建ての大きな市場で、鶏の羽むしりを目撃しました。以前は皮に火が通らない程度まで鶏を熱湯に浸け、手で羽をむしっていましたが、ドラム缶のような形の機械にゴムでできた棒が中でグルグルと回っていました。その中に熱湯に浸けた鶏を入れて暫らくすると、下から羽をすっかりむしられた丸裸の鶏がコロコロ出てきたのには驚きました。
 肉類は日本では熟成させてから肉屋に並ぶのが常識ですが、ここでは絞めてすぐの新鮮なものを売られています。夏場でも冷蔵庫に入れず、外に部位ごとに分けてぶら下げているのです。
丸焼き用の仔豚

丸焼き用の仔豚

 はじめは腐らないのかなと思いましたが、大丈夫のようです。触っ てみてびっくりしました。指が弾かれるようなプルプル感があるの です。新鮮なものとねかしたものとはこんなにも違うのです。味については一言ではいえませんが。
 魚介と家禽は生きたまま売られているものがほとんどです。1メートルもある大きな草魚は縦半分に切られ、鮮度を長く保つようにと、切った面に血が塗られていました。家禽は鶏、鴨、ガチョウ、鳩、ウズラなどがケージに入れられています。生きた鶏が足を紐で括られて持ち運んでいる光景をよく目にしたものです。

金華ハムは吊るして保管

金華ハムは吊るして保管

 研修先のマンダリンオリエンタルホテルの中国料理レストラン「文華廳(マンワテン)」では捌くのは魚介のみで、鶏も羽などを取り除いたものが入ってきます。小海老は生のものを業者の方が厨房の隅で椅子に腰掛け、殻、背腸を取り除いてくれます。冷凍の食材を使うのは稀で、安いバイキングでは冷凍の鶏肉を使っていました。よく見ると袋にはカタカナで「ブロイラー」と書かれていました。
 さて、私の味なものといえば言えば・・・。香港人のように生活するのが夢でした。研修していた頃は、街では煮た鶏の足を食べながら歩いている現地の人をよく見かけました。私も仕事に行く前にアパートの下にある屋台で揚げたての油条(ヤウティユ:揚げドーナツ)を1本買い、手をべたべたにして齧りながら仕事場に行き、帰りは3個ずつ串に刺したシューマイを2串買って、やはり食べながら家にたどり着くのが日課でした。研修時代の思い出と重なり、この油条とシューマイが私にとって「味なもの」といえるでしょう。
 今回ご紹介するのは、もうひとつの「味なもの」、若鶏のはちみつしょうが煮です。広東料理ならではの風味を味わってください。  国内、海外に限らず、ガイドブックに載っていない自分自身の味なものを探してみてはいかがでしょうか。  
 

このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 若鶏のはちみつしょうが煮

マンダリン 河(フォー)
人物 河合鉱造
中文之星
人物 福冨奈津子
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