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連載コラム 日本料理一年生
辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。
6時間目 ご飯を炊く(2)
鯛ご飯
  2時間目の「米を洗う・ご飯を炊く(1)」で白ご飯の話をしましたが、今回はさらに一歩前進させて「鯛ご飯」に挑戦しましょう。「鯛ご飯」といえば一流の料亭のもので、家庭ではできないと思っていませんか。いえいえ、そんなことはありません。
  今回は、炊飯器で炊くのではなく、鍋物に使う土鍋を使い、炊き立てをそのまま食卓にお出しするという演出ができる方法です。炊き込みご飯は、弱火で時間をかけて炊くと美味しく炊き上がります。土鍋は、熱の伝わり方がゆるやかで保温性が高いため、ふっくらとしたご飯ができます。若林先生が教えてくれる「鯛ご飯」は、生の鯛1尾を使って、おもてなし用の豪華な「鯛ご飯」です。この作り方を覚えれば、家庭でも簡単にゴージャスでエレガントなお客様のおもてなしにも使える「鯛ご飯」が作れます!(どこかの雑誌のリードみたいになってしまいましたね……)
こうやって切ることを「梨割り」といいます。鯛のあらは通常「梨割り」をした状態で売られています。
こうやって切ることを「梨割り」といいます。鯛のあらは通常「梨割り」をした状態で売られています。
  ただ、いくら美味しくても、この鯛ご飯をひと月に何度も作るのは、時間的にも経済的にも少し難しいかもしれません。そこで、普段の晩ご飯に週1回作っても、安くて鯛の味を充分に堪能できる方法をお教えしましょう。
  スーパーの鮮魚売り場には、身をお造りにした後の鯛の頭や中骨などをパックにして売っています。鯛の頭は通常梨割りにしてありますから、扱いやすいでしょう。これを1つ買います。鯛の頭の部分は、白身でも脂の多い部分ですから、全体に塩をまんべんなく振りかけて20〜30分おきます。すると浸透圧の作用で鯛の頭から水分が出てきます。これが魚のくせと余分な水分ですから、きれいに洗い流します。そして、魚焼きグリルで両面をこんがりと焼きます。焼き上がった鯛の頭からうろこや皮を除き、ほほ肉やあご、かまの部分の身を取り出して、骨が残らないようにほぐします。少し面倒な作業ですが、鼻歌でも歌いながらがんばりましょう。身を取った骨の部分は、昆布、水と共に火にかけ、7〜8分煮出して鯛のだしを取ります。このだしを、みりん、塩、醤油で味を調えて冷まし、ほぐした鯛の身、洗い米と共に土鍋に入れて炊きます。炊き上がりに、お酒を少し振りかけて蒸らします。
これくらいこんがりと焼き色をつけます。魚焼きグリルで十分焼けます。
これくらいこんがりと焼き色をつけます。魚焼きグリルで十分焼けます。
  調味料の分量は若林先生の鯛ご飯と同じです。これで、簡単「鯛ご飯」のでき上がりですが、そのままではご飯の表面に少量の鯛の身が散らばっているだけで、あまり美味しそうに見えません。そこで、ご飯の表面を全ておおってしまうように錦糸玉子を散らし、ゆでた三つ葉の軸、絹さや、木の芽などの青い野菜をどれか1種類少しだけ散らすと、ぐんと高級感が出てきます。土鍋のまま食卓に運びましょう。土鍋ではどうしてもうまく炊く自信がないなら、炊飯器で炊き、お茶碗に盛りつけてから、錦糸玉子と三つ葉などを散らしてもよいでしょう。でも、心の準備ができたら、一度は土鍋に挑戦してみてくださいね。そんなに難しくないですよ。
  ちなみに我が家では、お正月の「にらみ鯛」やお祝いの時にいただいた「祝い鯛」などで、この「鯛ご飯」を作ることにしています。「にらみ鯛」や「祝い鯛」は、すでに焼かれているので、そのまま食べるより「鯛ご飯」にリメイクする方が、簡単に美味しくいただけます。鯛については、「和のおいしいことば玉手箱」の「海老で鯛を釣る」をご覧ください。
  鯛ご飯の作り方と同様に、鮭の頭とかまの部分を使えば、
土鍋で炊くご飯には、独特のおいしさがあります。
土鍋で炊くご飯には、独特のおいしさがあります。
「鮭ご飯」ができます。でも、塩鮭の場合は塩加減に注意が必要です。 「鮭ご飯」には、煎り胡麻や細く刻んだ青紫蘇がよく合います。ただ、はまち(ぶり)などの背の青い魚は、くせが強いので炊き込みご飯には向きません。

  最近、料理番組やコマーシャルでは、土鍋を使ってご飯を炊いていることが多いようです。時間と火加減を守れば、カセットコンロでも炊けますから、土鍋での炊き方を覚えておくと、アウトドアや災害時にも充分活用できるでしょう。


調理師一年目の思い出
  聞かないで怒られるより聞いて怒られなさい」これは、働き始めて最初に怒られた時の言葉です。最初のうちは自分で勝手に判断して失敗するより、「何回聞くんだ!」と怒られるぐらい聞きなさい。という意味でした。仕事をしていく上での基本姿勢を教わった気がします。7年も前のことですが、今でもはっきり覚えていて、とても大切なことだと思えます。褒められたことよりも、怒られたことの方が記憶に残っているものですよね。

日本料理 M.T.



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 鯛ご飯

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
人物 小谷 良孝
  辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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