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連載コラム 日本料理一年生
辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。
25時間目 南蛮漬け
25時間目 南蛮漬け
   ゴールデンウイークも終わり、日に日に暑くなっていく時期です。夏にはどうしても食欲がなくなるため、それが夏バテの大きな原因になっています。今回ご紹介するのは、そんな時にも、モリモリ食べられる酢を使った「夏野菜の南蛮漬け」です。「和風の野菜のマリネ」ともいえるさっぱりとした料理です。

   「南蛮」とは『現代実用辞典』(講談社)によれば、
  1. 南方の野蛮人。中国で、南方諸地域の民族をさした語。
  2. 室町末期から江戸時代、東南アジアの諸地域をさした語。
  3. 江戸時代、ポルトガル・イスパニアの二国をさした語。
  4. 「南蛮からし」のこと。とうがらし。
と記されています。

   南蛮料理が伝わったのは、ポルトガル船が種子島に漂着して鉄砲が伝わり、フランシスコ・ザビエルが、鹿児島に上陸してキリスト教を伝えた頃です。ポルトガルやイスパニアが植民地にしていた「南蛮」の地域を経て、日本に伝わったものに、「南蛮」という名がついています。8時間目でお話したように、天ぷらも「南蛮料理」のひとつとして伝わったようです。唐辛子は「南蛮からし」とか「南蛮胡椒」とも呼ばれ、カステラやボーロ、こんぺいとうなどは「南蛮菓子」といわれました。私が子供の頃に祖父や祖母は、とうもろこしを「なんば」といっていましたが、これもとうもろこしが「南蛮きび」と呼ばれていたからだと思います。
   また、関西では葱を使った料理に「なんば」という言葉がつかわれます。鴨なんばが一例です。グリコの看板やくいだおれ人形、かに道楽などが存在する「難波」は、もともと葱の産地だったので、葱を使った料理に「なんば」という名前がつけられたという説や、野菜や魚、肉を、油で揚げたり炒めたりして煮る手法はもともと日本にはなく、「南蛮料理」として伝わったので「南蛮」という名がつき、略して「なんば」というようになったという説があります。大阪では商売人に限らず、挨拶代わりに「まいど」という言葉をよく使いますが、これは「まいど、ありがとうございます。」の省略です。大阪では語尾を省略するくせがあります。今の若い人たちも「マクドナルド」は「マクド」、「ファミリー・マート」は「ファミマ」と呼んでいますが、これらは今まで脈々と受け継がれた大阪人のDNAのなせる業かもしれません。
   余談ですが、宮崎県が発祥とされる「チキン南蛮」は戦後に作られたものとか。カレー味の温かいそばの「カレー南蛮」は明治時代に考案されたものという説もあります。
   「南蛮漬け」は、一般には小魚を、油で揚げたり、焼いたりしたものを「南蛮酢」という「南蛮からし(唐辛子)」を加えた酢に浸すという手法です。小魚の骨は、酢に浸すと柔らかくなり、頭からまるごと食べられます。



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 夏野菜南蛮漬け

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
人物 小谷 良孝
  辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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