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連載コラム 日本料理一年生
辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。
13時間目 潮仕立ての吸物
潮仕立ての吸物
  今まで日本料理一年生では、かつお節と昆布の一番だし煮干しのだし汁鶏のだし汁と三種類のだし汁を勉強しましたが、今回はさらにあさりのだし汁を勉強します。このだし汁は他のだし汁よりも簡単に取れて、色々と応用もきくので覚えておくとよいでしょう。
  5時間目にも、少しお話したようにあさりや蜆(しじみ)、蛤(はまぐり)といった貝類は素材自体にうま味をたっぷり含んでいます。だから貝類を具材とした味噌汁や吸物などには、別にだし汁を用意する必要はありません。昆布と一緒に貝を煮るだけでおいしいだし汁が取れます。これに味噌で味つけすれば味噌汁になり、塩で味つけすれば潮汁(うしおじる)になります。
  ところで、吸物と汁物の違いがどこにあるか分かりますか。「醤油で味つけしたのが吸物で、味噌で味つけしたのが汁物」とか、「液体が透き通っているのが吸物で、濁っているのが汁物」などと思っていませんか?基本的な考え方としては、会席料理の献立で、最初の方に出てくるのを「吸物」、献立の最後に食事としてご飯物と一緒に出てくるのを「汁物」と呼んでいます。だから同じものでも料理人は、献立表に「あさり 潮仕立吸物」、「あさり 潮汁」と書き分けます。ただ、献立の中に同じ料理が最初と最後に出ることはありません。今回、若林先生のレシピは「あさりの潮汁」ですが、家庭向けにご紹介している、ご飯と一緒に食べて欲しい献立なのでこの名前をつけてあります。
  さて、潮(うしお)という難しい言葉が出てきましたが、これは、「潮の満ち引き」や「うず潮」などという使われ方をし、海水を意味します。したがって「潮仕立」とは「海水のような味に仕立てた吸物」という意味です。普通「おすまし」と呼ばれる吸物のことを、われわれ料理人は清汁(せいしゅ)仕立と言い、一番だしに塩でほとんど味をつけ、薄口醤油で香りと風味を補いますが、「潮仕立」は基本的には塩だけで味つけしたものです。
  今回の主材料の「あさり」は、昔は日本のどこでも普通にとれたようですが、現在国内では枯渇資源の一つで、中国、韓国などからの輸入に頼っているようです。産卵をひかえた3月〜5月が旬とされていて、この頃のあさりは身がプリッとして、大きいようです。
  あさりは砂地に生息しているため、砂抜きをしなければなりません。昔は、「あさりと刃物」といって、砂抜きする時に刃物を入れておけば、うまく砂を吐くといわれていました。しかし、実際のところ刃物を入れても効果はあまり期待できないようです。むしろ、砂抜きをする時には動かさないように静かにおいておくことが大切なので、刃物を入れておき、人をそばに近寄らせない意味合いが強いのだと思われます。あさりを食べていて、がりっと砂をかんでしまうと、どんなにおいしい料理であっても、幻滅してしまいます。少し面倒かもしれませんが、きちんと砂抜きしておくことは、とても大切な下処理です。


調理師一年目の思い出
  思い起こせば10年前、東北出身の私は東京校を卒業し、憧れの学校で働きたくて周囲の反対を押し切って大阪校の職員になりました。知らない土地と先生方の間で毎日がドキドキ。初めての実習の日、てんやわんやの中、生徒から質問を受けました。初めて先生と呼ばれて「先生らしく答えなくては」と力みすぎ、思わず
「んだ!!!」と勢いよく答えてしまいました。今ではすっかり私の「んだ!」も日常会話として職員の中に定着しています。

日本料理 T.Y.



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ あさりの潮汁

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
人物 小谷 良孝
  辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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