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連載コラム 和のおいしいことば玉手箱
日本には、昔から言い伝えられてきた「おばあちゃんの知恵袋」のような、食に関する言葉がたくさんあります。これらの言葉は、科学的にもきちんとした根拠があり、道理にかなっているということがほとんどです。ここでは、これらの食に関すること わざや格言などからおいしさを再発見してみます。
こんにゃくは体の砂払い
こんにゃくは体の砂払い こんにゃくは体の砂払い
解説

「こんにゃくは体の砂払い」
こんにゃくを食べると体の中にたまっている砂が取り除かれるという俗信。こんにゃくには食物繊維が多く含まれているため、たくさん食べると便通がよくなる。このように体内の有害物を排泄してくれるので「体の砂払い」といわれるようになった。
 「こんにゃくは体の砂払い」のことわざには、ある言い伝えがある。豊臣秀吉が肥前の名護屋に城を築いたときに、石工の棟梁である谷丸久右衛門が急な腹痛で重態になってしまった。そこで彼の奥さんが、水ごりをして神様に一心にお祈りしたところ、夢の中に神様が現れ、「あなたの夫の病気は、体の中に多数の砂や石がたまっているためである。あなたの献身的な祈りに免じて、私の秘薬を与えよう。」とお告げがあった。そして目を覚ますと、枕元にこんにゃく芋が……。奥さんがこのこんにゃく芋でこんにゃくを作って食べさせたところ、夫はたちまち回復して、築城に大いに貢献したとのこと。そこで、この話を聞いた諸国の大名が、自分の領地にこんにゃく芋を持ち帰って、話とともにこんにゃくを広めたといわれる。

 こんにゃくの栄養面の大きな特徴としては、食物繊維を豊富に含むことである。食物繊維には整腸作用があるほか、糖質やコレステロールなどの吸収を抑えたり、消化管のはたらきを活発にしたりするので、便秘ばかりでなく、肥満、糖尿病、腸疾患、胆石などを予防するはたらきもあり、その重要性が認識されてきている。また、昔から「精根尽きたときは、コンのつくものを食べればよい。」といわれるが、コンのつく食べものは、こんにゃく(コンにゃく)をはじめとして、れんこん(れんコン)、ごぼう(ゴンぼう)など、これらはすべて食物繊維の多い食品ばかり。健康維持のために、こんにゃくを日々の食事に上手に取り入れていきたいものである。

 昔のこんにゃくは生のこんにゃく芋を原料にしていたため、皮が入ってどのこんにゃくも黒かった。しかし、我々が知っているこんにゃくには、白と黒の2種類がある。現在では、生のこんにゃく芋から作ることはほとんどなく、こんにゃく芋を製粉して、マンナンと呼ばれる食物繊維の成分だけを取り出し、この粉に目的に応じた割合の水を加え、よく練ってから凝固剤を加えて合わせ、型に入れて固め、アク抜きして作られている。だから皮は入っておらず、白色をしているのが当たり前なのだ。では、なぜ黒いこんにゃくがあるのか。それは、生のこんにゃく芋から作った際の黒色が好まれる傾向があるため、わざわざヒジキやアラメなど海藻の粉末で着色しているのである。

 また、こんにゃくは形状によって板こんにゃく、玉こんにゃくなど呼び名が違うが、「しらたき」と「糸こんにゃく」はどちらも糸状であるのに名前が違う。江戸時代に関東地方では、こんにゃく芋からとった粉を水で溶いたのり状のものを、注射器のような器具で押し出して糸状のこんにゃくを作り「しらたき」と呼んでいた。関西地方では、板こんにゃくを細く切って糸状にしたものを「糸こんにゃく」と呼んでおり、しらたきとは本来まったく違うものであった。しかし、現在では関東も関西も注射器のような器具で押し出す製法で作っており、両者を製法で区別することはないが、関東ではしらたき、関西では糸こんにゃくと呼ばれている。

 こんにゃくには独特のくさみがあるが、塩をまぶしてしばらくおいてからゆでて、ざるに上げて冷ますといったひと手間をかけてやることで、くさみが抜けておいしく食べられる。また、こんにゃくは味がしみ込みにくいので、こんにゃくをこぶしで叩いてひびを入れたり、包丁で切らずに手でちぎって切り口の表面積を増やしたりして味がつきやすくする工夫をするとよい。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ こんにゃく辛煮

タイ語の話せる日カレのおとうちゃん
人物 小谷 良孝
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