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連載コラム とっておきのヨーロッパだより
辻調グループ校には、フランス・リヨン近郊にフランス料理とお菓子を学ぶフランス校があります。そこに勤務している職員が、旅行者とはまた違った視点から、ヨーロッパの日常生活をお届けします。
秋冬の味覚! 奇妙な形のポワール達
〜お菓子な奇妙な形〜
   さて、梨は大きく3種類に分られます。みなさんがよく食べている梨、つまり和梨(幸水、豊水、二十世紀など)と、あまり知られていない中国梨、そして今回ご紹介する洋梨(ポワールpoire)です。
   和梨は全体に丸っこい形で、そのまま食する事が多いですが、洋梨はとてもおもしろく奇妙な形がたくさんあります。基本形はひょうたんの形ですが、縦に長いひょうたん形、ジャガイモのような形と様々です。食べ方も、ヴァリエーションに富んでいます。シロップや赤ワインに漬け込み、コンポートにしたり、タルトなどの焼き菓子に使用したり、ミキサーにかけ、ピューレにし、ソルベにしたりとたくさんの食べ方があります。もちろん、そのままでもとても美味しいです。

ルイーズ=ボンヌ   アバット   ドワイエネ・デュ・コミス

ルイーズ=ボンヌ
louise-bonne

 

アバット
abate

 

ドワイエネ・デュ・コミス
doyennné du comice


   そこで、フレッシュの洋梨の食べ頃を御紹介しましょう!
   洋梨というフルーツは、木の上では中々熟さないので、追熟という方法をとります。つまり果樹園では収穫後すぐには出荷せず、1〜2週間、20℃前後で保存したものが店頭に並びます。この時点でもたいがいはまだ食べ頃になっていません。買ってきたら、さらに常温に放置して、色が黄色やオレンジ色っぽくなり、香りがよくなり、果肉も柔らかくなるのを待ちます。そして、食べ頃になったら後は冷やして食べるばかり。ボン・ナペティBon appétit!

   先ほど焼き菓子にも使用と記しましたが、1品どうしても御紹介したい焼き菓子があります。
タルト・ブルダルゥ

タルト・ブルダルゥ

それは我がフランス校で学生達が学ぶ、タルト・ブルダルゥTarte Bourdaloueという焼き菓子です。これは19世紀末頃、パリのブルダルゥ通りにあったパティスリー(菓子屋)のシェフが考案したお菓子に通りの名前をつけたのが始まりといわれており、洋梨をたくさん使用した時によくつけられる名称です。タルトの生地はパート・シュクレPâte sucrée(練り込みパイ生地)を使い、中にクレーム・ダマンドCrème d’amandes(アーモンドクリーム)を絞り、その上にコンポートにした洋梨を並べて、180℃で焼いていきます。そして焼き上がりに洋梨のお酒を表面に塗り、冷まします。冷めれば、ナパージュNappage(つや出し用のジャム)を塗り、アーモンドスライスを飾り、粉砂糖を振って完成です。ぜひ、簡単なので御家庭で試してみては?

〜びっくりな発見〜
   今回、私が洋梨について探求していくと、様々なびっくりした発見がいくつかありました。洋梨はバラ科に属する植物であったという事と、値段がとても安い! 大体1kgで2ユーロ(300円)前後です。個数で言うと5〜6個ぐらいでしょうか。
   そして品種が多い! 日本では東北地方などを中心に栽培されているラ・フランスla Franceやポワール・ウイリアムスpoire william’sなどは、みなさんもよく御存知でしょう。フランスには夏の終わりから冬の始めにかけて、フランス国内だけでなく、イタリア、スペインなど周辺の国からも、次から次へといろいろな品種がたくさん出回ります。これはやはりEUという繋がりがあるからこそでしょうね。まだまだ日本では知られていない洋梨が数え切れないほどあります。

サンタ・マリア
フランス産でキロ1.69ユーロの値札
  日本では珍しい赤い皮の種類
ウイリアムス・ルージュ

サンタ・マリア
santa maria フランス産でキロ1.69ユーロの値札

 

日本では珍しい赤い皮の種類
ウイリアムス・ルージュ
william’s rouge




 

コラム担当

辻調グループ校 製菓助教授
人物 野田 昌志
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