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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
オーベルニュ地方の夏祭り フランスの屋台って・・・
   ある5月の休日。トランジュマンス(移牧)のお祭りがあるというのでオーベルニュ地方の小さな村を訪れた。
   案内してくれたのは、カンタルチーズとサレールチーズを作っているブデさん。ブデさんの家では40頭のサレール牛と20頭ほどの豚を飼っている。愛情たっぷりに育てられた牛から取れたミルクで作られるカンタルやサレールというチーズは、1個35〜50kgもある大型チーズ。40頭の牛から1日に取れる乳量は、朝400リットル、夜200リットルの合計600リットル。
かわいいチーズのお世話をするブデさん

かわいいチーズのお世話をするブデさん

これで、1日2個のチーズしか作ることができない。そんな貴重なチーズに対する思い入れはさすがに強くなるはずだ。チーズ作りの現場を見学させてもらい、その奥の部屋には、チーズの熟成庫があった。自分の子供のように大切そうにチーズの顔色を見ながら、お世話をするブデさん。チーズに触れているときは本当に幸せそうだ。

   お祭りでは、たくさんの屋台が出て、ブデさんも自分の家で作ったチーズを売るという。私もそこに連れて行ってもらいお手伝いをすることになった。まだ外も薄暗い朝5時半ごろにブデさんの家に集合し、商品となる厳選された食べごろのチーズや自家製パテ(豚肉加工品)などの荷物を積み込み、いざ出発。お祭りの行われる山の頂上までは家から車で約30分。

お店完成!

お店完成!

   山の中を走り続け、山の頂上に着くと再び広大な丘陵が一面に広がる。そこには美しい自然があり、きれいな空気、緑がある。緑の丘の 中にぽつんと見える小さな村。山の中なのに、新しい建物も多くかわいらしい家もある。私たちが到着したとき、すでにいくつかの屋台は組み始められていた。私たちも早速準備を始めた。近くに咲いていた花で花飾りを作り、目立つようにお店をデコレーションして、完成。

   祭りの始まる9時には、あたり一面にぎっしり屋台ができていた。地元の農家の人たちが、自家製のチーズを売ったり、この地方の郷土料理、アリゴやトリュファードのお店がたくさんあった。

“オーベルニュ地方のAOCチーズ、ライオールのお店
  じゃがいものピュレとトムチーズを混ぜて作るアリゴの屋台

オーベルニュ地方のAOCチーズ、
ライオールのお店

 

じゃがいものピュレとトムチーズを
混ぜて作るアリゴの屋台


   10時からはメインイベントの牛たちの移牧が再現される。見物客の間をさっそうと牛たちが通っていく。移牧のシンボルの花飾りを頭につけている牛や、リボンをつけている牛がいる。牛たちが通るとみんな拍手で迎える。広場では司会者のおじさんと飼い主のおじさんのちょっとした会話があり、牛たちは退場していった。それが、30分ごとに10回繰り返された。

お決まりのベレー帽に杖の格好で牛たちを先導する   広場はたくさんの見物客でにぎわう

お決まりのベレー帽に杖の格好で
牛たちを先導する

 

広場はたくさんの見物客でにぎわう


   昼ごろには、観光バスでやってきたたくさんの観光客でにぎわい、普段は、村人しかいなさそうな山奥の小さな村は、本当に大勢の人たちで、活気づいていた。このお祭りはオーベルニュ地方の各地で順番に5〜6月の週末に行われるそうだ。ブデさんも次の週末は、違う村にチーズを売りにいくという。

   私もブデさんのチーズを売るお手伝いをした。試食用に小さくカットするのが私の仕事。
お昼ご飯のトリュファード

お昼ご飯のトリュファード

「試食用はもっと小さく切りなさい!」と注意されたが、本当にひとつのチーズを作る手間を知っているだけにチーズを大切に思う気持ちが伝わってきた。数種類のチーズと、熟成違いのものが何種類かあり、日本だったら高いだろうな、と思いながら、パクパク。と私も試食。現地で、切りたてのチーズを食べていることをしみじみ感動しながら幸せな気分でいっぱいだった。
   お昼ご飯は屋台で買ったトリュファード。とパンとワイン。みんなで話をしながら、チーズを売る傍らで食事をし、ちょっとだけ、フランス人気分を味わうことができた。

   トリュファードというのはカンタルチーズを作る過程で出来るトムと、じゃがいも、ベーコン、にんにく、パセリを炒めたもの。トムというのは、凝乳酵素を加えて固まった凝乳に圧力を加えて水分をしっかり切ったもの。これを細かく粉砕し、塩を加えて型詰めし、プレスするとチーズができる。日本ではなかなか目にすることのできないフレッシュの状態のチーズだが、この地方では、頻繁に料理に使用されている。
   では、このトリュファードを日本で再現してみることにしよう。



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ トリュファード

petite gourmande
人物 徳井友紀子
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