淀屋橋の『イタリア小料理　ピアンタ』はオープンカウンターで、お客さんとすごく身近に接することができるこぢんまりとした店です。そんなビストロ感覚の店も大変いいのですが、やはりもっと大規模の店を手掛けてみたいと思っていました。関西のイタリア料理の店は20坪くらいが主体。だからこそ全国的にもひけをとらないような大きな店で、自分を試してみたかった。
その念願が叶ったのが、96年の７月。天井が高くて、窓も大きく、開放感がある50坪のこの物件を見た途端、すぐに決断。新しくできたビルの物件だけに、自分の思い通りに店を造ることができました。

イメージはイタリアの修道院や教会。天井にアールを造って、間接照明で浮き立つようにし、大きなガラス面を活かして、テラスがイメージできるように設計しました。よりテラスをイメージしやすいように、窓部分には、フランスの古城を壊した時に残ったレンガを使用。フローリングと組み合わせ、風格が醸し出せるようにしたつもりです。もちろん、淀屋橋の店のメリットを活かして、キッチンが見えるようにしています。こうすることで清潔感が出ますし、お客さんとの距離も近くなる。私たちも客の状態が分かるので、スムーズにサービスができます。しかもこれだけのキャパシティなら、パーティや婚礼の予約も受け付けられるので、新たにそういった形態の料理を作ってみるチャンスも出来ました。今では、両店舗のそれぞれのいい面を活かし、メリットのある料理構成を考えています。