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本多先生 |
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パスタの生地にあれだけたくさんの卵黄が入っていると、個性がかなり
出ますね。口当たりも良く、詰め物のうさぎの肉、ほうれん草とパン粉のバランスがうまくとれていると思います。 |
柿田シェフ |
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肉が多すぎると固くなってしまいますからね。野菜をたくさん入れることで、パスタに水分を与えるようにしています。 |
本多先生 |
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パスタの中でもラビオリなどは、フランス人にも好まれていますね。 |
柿田シェフ |
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どちらかと言うと、イタリア北部ではこのタイプのパスタが多くて、タリオリーニよりも、ラビオリ関係のパスタをどこの店でもよく使っていました。日本人の方はラビオリを食べると、全体の味を評価するんですが、イタリア人はさすがにパスタ自体まで、コメントしますからね。パスタっていうのはシンプルだけど奥深い。
料理人の腕がすごく出るものだと思いますね。 |
本多先生 |
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フランス料理だと魚や肉がメインになるけど、イタリア料理ではちょっと違って、パスタにかなり重点が置かれますからね。 |
柿田シェフ |
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鴨を使ったり、メインディッシュに使う素材をソースに使ったりすれば、個性も出しやすいし、具によって十分メイン料理にもなりますしね。 |
本多先生 |
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あのラビオリはひと皿でかなり充実していましたね。パスタだけで終わってしまうんじゃなくて、魚とか肉とかをオーダーしてもらうためには、分量のことも考えないといけませんね。昼と夜では当然、皿数も変わってきますしね。 |
柿田シェフ |
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コースの流れで、後にどういう料理を出すかですよね。うさぎの肉とキノコで濃厚なソースになっているので、その後に、焼きっぱなしのグリルの魚を出しても負けちゃうんで、それならいっそ、全く違うバジリコや赤ピーマンのソースを使う方がいいですもんね。 |
本多先生 |
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コースの全ての料理にインパクトがあっても、食べる方が疲れてしまうし、これがメインって決めたら、後はそれを引き立たせる料理であればいいと思います。 |
柿田シェフ |
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そうなんですよ。前菜でいいものがあれば、最初にインパクトを与えて、後は、その余韻で楽しんでもらうようにしてます。 |
本多先生からひとこと |
お客さんの立場になって頭で理解していることを、実践し評価を得ている、実に頼もしい
存在です。これからも柔軟な発想で、独自のイタリア料理に挑戦していって欲しいと思います。 |
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