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連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
ワタリガニと春雨の土鍋煮込みXO風味


ワタリガニと春雨の土鍋煮込みXO風味

焼き物店で「焼味飯」を食べる 10年前までは中国料理の食べ歩きといえば、香港でした。気の合った人たちと、但し、食べることにお金と努力を惜しまないとなると、やはり学校の職員に限られてしまいます。6人で徒党を組んで、いざ香港に。大体一日は次のように過ぎていきました。「皮蛋痩肉粥(ピータンと豚赤身肉の粥)」や「海鮮粥(海の幸入り粥)」、たまには贅沢をして「鮑片粥(アワビ入り粥)」などお粥で軽く朝食を済ませると、次に「焼味飯」といって、焼き鴨、チャーシューなどをご飯にのせて食べる、いわゆる丼。それに「例湯(日替わりスープ)」をつけます。 具とスープが別々に出てきて、醤油をつけて具のクレソンと豚肉を食べ、スープは別に飲むのですが、小さな店なのに100リットルも入りそうなアルミの寸胴鍋が火にかかっていました。但し、本日のスープはこれ一種類のみです。2回の朝食が終わると、もう昼時、レストランで昼食です。米粉の生地を蒸して貝柱やエビなどを客の前で巻いてくれる腸粉を味わい、おっと、点心も頂いて。腹ごなしにしばらく歩くとテイクアウトの店にぶつかります。タルトや豆腐花、或いは麺類を軽く一杯。ディナーはやはりスーツに着替えてホテルのレストランで、フカヒレを食べなくては。そして夜が更けると、当時は屋台がずらっと並んでいたので、宵夜(夜食)を楽しみました。「羊鍋と海鮮鍋どちらにしようか。」 といっていたら両方頼んできた豪の者がいました。さすがにお腹がはちきれそうで、箸を持つ手が震えました。しかし、残さなかったところがすごいですね。若かったのでしょうか。

 20cmはあろうかと思われる巨大なシャコ、食べものとは思えないほど色鮮やかなロブスター、甲羅の模様が美しい花蟹、ハタの王様のネズミハタ(正式名はサラサハタ)など、何を見ても珍しく新鮮でした。面白かったのはシャコの名前で、香港では「頼尿蝦」といわれています。「頼尿」は小便をもらすということで、捕獲される時に防御本脳が働いて水のようなものをだすので、そのように呼ばれるのです。「富貴蝦」とか「螳螂蝦(カマキリエビ)」という立派な別名も持っているのですが。

 本物の味を求めて同じ料理を何軒もはしごしました。姜葱青蟹(ノコギリガザミの炒めもの)、椒塩頼尿蝦(シャコの山椒塩炒め)など色々な店で食べ比べをしましたね。本当の味がわからず傷んでいたのを食べてしまい、お腹をこわしたこともありました。

 その頃の買い物もすごかったですね。今ほど流通がよくなかったのと、現地で買うと安いからか学校の先生方から頼まれて厚刃の包丁を15本も買い込みました。スーツケースの中は包丁だらけ。今なら税関で尋問されそうですが。それに、油を入れる壷がどうしても欲しくて買いました。縦横25センチくらいの壷ですが、着替えを壷に押し込んでやっとスーツケースを閉じることができました。そのほか、お土産に茶壷(急須)を8個もゲットして、意気揚揚と香港を後にしました。

 日本に帰ると香港で頑張りすぎたせいか風邪を引いてしまいました。さらに、サイフを見ると6万円ほどしか残っていません。まだ、月初め。次の給料日までどのように過ごそうかと算段していたら、「禍不単行、福無双至(災いは続いてやってきて、幸せは重ならない)」という通り、空き巣に入られて虎の子の6万円も取られてしまいました。一週間前の香港での豪遊が夢にように思える一日300円の生活で、何とかピンチを切り抜けました。

ずらりと並んだ水槽 今回の料理は西貢の思い出とつながっています。西貢には、地下鉄の最寄駅から、「小巴(小型バス)」でひと山グルリと回るのですが、道は曲がりくねっているわ、運転は荒いわで恐怖の30分間、油汗が流れ落ちました。そんな思いをして西貢にたどり着いたのです。そこでは50〜60cm角の浅い水槽が数十個並んでいるのを見渡しながら、魚やエビを吟味してビニール袋に入れてもらい、すぐ近くのレストランに行ってどのように調理するかをいい、持ち込み料を払って料理してもらうのです。その時食べたのが「姜葱M花蟹(花蟹のネギ、ショウガ炒め)」。 これを少しアレンジして「ワタリガニと春雨の土鍋煮込みXO風味」を作ってみました。想い出の味です。



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ ワタリガニと春雨の土鍋煮込みXO風味

ぼけ仙人窟主人
人物 宮崎 耕一
中文之星
人物 福冨 奈津子
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