辻調グループ

コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
辻調グループ 最新情報はこちらから
Column&Recipe
コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
和菓子TOPへ百人一首と和菓子 コラム一覧へ
連載コラム 百人一首と和菓子
「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。
秋のお菓子稲葉
夕されば かどたの稲葉 おとづれて あしのまろ屋に 秋風ぞふく 大納言経信
秋のお菓子 稲葉
お菓子について
初夏に早苗を植え、晩秋になると稲穂が黄熟した実を重たそうにもたげてきます。このころに秋風が吹くと、田んぼも黄金色に波立ちます。今回は、焼き皮生地を使いソフトな食感にしています。
侘茶の大成者「千利休」も、この生地を好み、よく茶会で使っていたといわれます。
もっとも当時は小麦粉を水で溶いて焼き上げ、味噌を塗って巻いたものでした。
これを「ふのやき」といったそうです。和風クレープとでもいいましょうか。
「秋風ぞ吹く」をイメージして
緑色の生地は、さわやかな風にゆれる稲葉を表わし、
焼き印で、稲穂を押して仕上げました。

豆辞典
71 大納言経信(だいなごんつねのぶ)
本名は源経信(みなもとのつねのぶ)で、大納言の地位にまで登った人です。生没年は1016〜1097。平安時代中期の文化人です。和歌だけでなく漢詩や管弦の才能もあり、法令にも通じていました。今風に言えば、詩が書けて外国語(平安時代は外国語といえば中国語でした)が堪能、音楽の才能もあり、法律関係のことにも詳しい、さしずめ閣僚級の文化人といったところでしょうか。「源(みなもと)」とか「平(たいら)」というのは、天皇家に生まれた皇子(天皇の息子)や皇孫(天皇の男子の孫)が皇族でなくなる時にもらう姓です。彼の場合、宇多天皇の血筋をひいています。余談ですが、かの有名な『源氏物語』の主人公「光源氏」は、天皇の息子で臣籍降下(皇族でなくなること)したから「源氏」なのです。

さて、歌の解釈は
夕方になると、家の前にある田の稲の葉がさやさやと音を立てて、葦でふいた田舎家に秋風が吹くことだ。
となります。この歌は、『金葉和歌集(きんようわかしゅう)』という歌集に入っていて、それを見ると梅津(うめづ)の山里(現在の京都市右京区梅津)にある貴族の山荘で詠まれたものだと分かります。
季節が秋で、稲の葉音がするというからには、刈り入れ前の稲がたわわに実った田んぼ。やっと暑さのおさまりかけた初秋の頃、ほっとするような涼しい秋風を感じるような歌です。



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 稲葉

いつも陽気な和菓子職人
人物 今成 宏
辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
このページのTOPへ
 
辻調グループ校 Copyright(C) 2003 TSUJI Group