No.6 なす

 今回夏野菜の代表として取り上げたのは、ナス。年中見受けられる野菜ですが、やはり夏になると出回り量も増えてきます(6〜9月が出回り量の多い時期)。

 ナスといえば千両ナスが一般的ですが、実はこれ「千両」「千両二号」という品種名のナスのことです。他にもいろんな品種があるのですが、ナスに関してはこの千両という名が一世を風靡しました。

 どうもナスは中国から二通りのルートで伝わったようで、上陸地はそれぞれ九州と北陸のもようです。そこから全国に伝わって行く間に、各地で改良が加えられ、その土地と嗜好にあったものへと変わっていったようです。ですから、全国各地にいろんな種類のナスがあり、千両ナスが全国に広がった現在でもさまざまなナスを見ることができます。

すなわち、形や大きさが異なるさまざまなナスがあるのです。もちろん、性質が大きく異なる場合もあります。形の違いで、丸ナス、小丸ナス、卵形ナス、中長ナス、長ナス、大長ナスなどに、色の違いで一般的な紫なす、白ナス、青ナスなどに分けられます。

 その性質の違いによって用途も異なり、もっぱら漬物用に利用される種類もあります。宮城には仙台長ナス、山形には民田ナス、そして大阪の水ナス等々です。

 その中で大阪は泉南地域で生産されている水ナスをご紹介しましょう。この水ナス、浅漬けにして食すると、皮の柔らかさと水分の多い肉質とのバランスが絶妙で、爽やかさを存分に味わうことができます。夏にピッタリ。まだまだ、全国区とは言えませんが是非どうぞ。

 上品ではないかも分かりませんが、包丁を使わずに手で6〜8コに縦に裂いて食べてみてください。絶品です。

 一方、加熱して食べるナスにもさまざまな種類があるわけですが、その中に丸い形のずっしりと重みのあるナスがあります。有名なのは京都の賀茂ナスで、京野菜の中でもその品質の良さから代表的存在です。本来の賀茂ナスを生産している農家は極わずかですので、本物に出会える機会は非常に少ないのが現状です。また、大阪の摂津には鳥飼ナスという優秀なナスが絶滅の危機を免れ、細々と作られています。

 他にも、九州で主に生産されている長さ40cmにもなる大長ナスなど、用途によって使い分けてみてはいかがでしょう。